★×跡部景吾A★
□続・コンプレックス
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跡部には悩みがある。
美しく聡明で、まさに完璧な人間である跡部にも、コンプレックスというものはある。
一つ目は、胸が過敏であること。
跡部の自慢の胸は、中学生とは思えないほど大きく、形も綺麗で、誰もが羨むものだった。
しかし、それは知らない男な指や視線にさえ感じてしまうほど過敏なのだ。
そして、もう一つのコンプレックスとは。
□続・コンプレックス■
「っ痛」
「あ、や…っごめんなさい…っ」
宍戸…彼氏の家。
親がいない日に泊まりに行くというのは、必然的に身体を重ねること。
「いいかげん慣れろよ。何回目だよ」
「ごめんなさい…」
跡部と宍戸がこういう関係になってからもうだいぶ経つが、跡部は未だうまくフェラ出来ない。
最近はパイズリが出来るようになったので、宍戸も悦んでいたが、やはりフェラとは違う。
「今日はもう寝る。風呂使っていいから」
「え…っ」
宍戸はさっさと布団に潜り込む。
跡部はフラフラと部屋を出た。
泣き声を聞かれないように風呂場に鍵をかけて閉じこもる。
…今日も歯を立ててしまった。
昨日も。
その前は喉の奥に当たり、吐き出してしまった。
このままでは、宍戸に飽きられるのも時間の問題かもしれない。
これは胸が過敏だということより深刻な問題。
***
翌日。
跡部は学校に来てもまだ悩んでいた。
「跡部?暗い顔して、何かあったん?」
忍足が話し掛けてくる。
そうだ、忍足なら。
そう思った跡部は、早速忍足に相談してみることにした。
「あのさ…忍足、………の仕方、教えてほしいんだけど…」
「は?そんなの、宍戸に頼めば…」
「ダメ」
跡部は昨日あったことを説明した。
とても恥ずかしいことだったが、これも全て宍戸のため。
忍足くらいしかこんなことを聞ける人はいない。
藁にも縋る思いで言ったのに、忍足の返事はつれないものだった。
「…無理や」
「え…」
「それは俺が口出す話やない」
「そんな…だって……っ」
「ああ、泣かんといて。別に嫌っちゅうわけやないねん」
「でも…っ……」
「あのな跡部…多分宍戸は………」
忍足は跡部に何か耳打ちした。
するとすぐに跡部の顔は明るくなった。
「本当に?」
「ああ、多分な」
「有難う。早速、試してみる!」
跡部は嬉しそうに言って、宍戸の元へ向かった。
その表情はまさに『恋する乙女』だった。
「宍戸。あの…今日ウチに来てもらえるかな?」
「ああ」
こうして今日は宍戸が跡部の家に行くことに。
***
「ただいま」
「お帰りなさいませ。宍戸様、いらっしゃいませ」
「あ、どうも」
執事に軽く挨拶をして部屋に行く。
執事やメイドはもう二人が付き合っていることを承知しているから、特に何も言わない。
二人は部屋に入り、鞄を下ろした。
「で、急に誘うなんて珍しいな」
「あのね…」
跡部は口をもごつかせ、言葉を濁した。
宍戸が怪訝そうな顔をして跡部を見る。
「フ…フェラの練習したいの…」
「…………」
「あの…ね、いつも、途中までしか出来ないから…宍戸に気持ちよくなってほしいな…って」
しどろもどろになりながら跡部は続けた。
宍戸はフッと笑ってベッドに腰掛けた。
そして跡部を手招きする。