★×跡部景吾A★

□瞳の中
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目が覚めたら、見覚えのある部屋にいた。
ただし、何故拘束されているのかは不明だった。

□■瞳の中□■

状況を整理してみよう。
覚えているところまで、順番に思い返してみると…
確か昨日は部活が終わって皆で何か食べて行こうって話になって…いつものメンバーで一緒に帰って…。
その後ファミレスで少し過ごして…ジローと一緒に帰って、…それから…。
…そこから記憶がない。
ジローと別れた後から急に記憶が途切れて…

「…起きてたのか」

「!…手塚」

突然の声に思考は一旦中断された。
その声は予想通り、この部屋の主、手塚国光のものだった。

「手塚…お前、これは何のつもりだ?」

拘束されている手は自分の思うようには動かせずに苛々する。
なのに手塚は、いつもと変わらない表情で見てくるだけだ。

「…おいおい、まさか俺様を監禁でもするつもりか?お前にしては随分思い切ったことするじゃねぇか」

冗談ぽく言ってみたところで表情には全く変化が見られない。
どうなってんだ…?

「…おい手塚、いい加減はっきりしろよ。これは一体どういうことなんだよ?」

「…お前を誰の目にも触れないよう監禁する。それだけだ」

手塚から告げられた言葉は予想通りのようでそうではないものだった。

「…ちょっと待てよ、何言ってんだ?俺様は忙しいんだ、いつまでもここに居るわけにいかねぇだろ?」

「勿論ずっというわけじゃない。ただ…お前が自分の行動を反省するまでは、ここにいてもらう」

手塚の言っていることは、俺には理解出来なかった。
行動を反省?俺が?
…反省するようなことなど何もしていない…はずだ。
少なくとも、俺が考える限りでは。
しかし手塚の口調からすると、俺は何か手塚の気に障ることをしたらしい。

「ま…待て、手塚。…悪いが俺には判らねぇ。何かしたか?俺が」

少し下手に出て聞いてみたが、手塚は何の情報も漏らしてはくれない。
だが俺には本当に何が何だか判らねぇ…
こんな状況で監禁なんかされてたまるか。

「…なぁ、言ってくれねぇと判んねぇんだよ。…何怒ってんだ?」

俺は正直に思っていることを口にした。
こうやって聞けば手塚でもちゃんと答えてくれると思ったが、それは甘かったようだ。

「判らないならそれでもいい。…お前が気付くまでそのままだ」

「…!?おい、手塚?!」

手塚の口調がいつもより冷たい。
俺はそのことに、認めたくはないが少なからず恐怖のようなものを覚えた。

「まぁお前が気付くような手助けはしてやるが…」

手塚が笑みを湛えて近付いてくる。
情けない話だが、正直逃げ出したいと思った。
こんなに怖い手塚は見たことがない。

「身体に教えてやる。覚悟しろよ」

***

「あ…っ、や…手塚ぁ…」

あれからどれくらい時間が経っただろうか。
俺の身体は全く動けないくらいに拘束され、手塚にいいように弄ばれていた。
最初は反抗していたが、今ではそんな余裕はない。

「まだ判らないのか?」

「ひゃぅ…あ、ぅん…」

手塚が冷たく見下ろしてくる。
俺はバイブをくわえ込んだ蕾をヒクつかせた。
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