★×跡部景吾A★

□良妻賢母
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──神様、これは夢でしょうか…。
こんな、有り得ない光景は…。

□■良妻賢母□■

いつものように自宅に帰ったら、そこにはいつもとは違う光景があった。
いや、正確には、いつもは有り得ない恰好をした人物がいた。

「おかえりなさい、侑士」

目の前にいる人物は、確かに恋人であるはずだ。
それは何度も確かめたのだから間違いない。

「どうかしたのかよ?変な顔して」

「い…いや、やって…景ちゃん…そのカッコ…」

不思議そうに首を傾げる跡部に、忍足はしどろもどろになりながら答える。
そう、有り得ないのは跡部の恰好である。
これは服装と言っていいのか、跡部は裸にエプロンを着ていたのだ。

「だって侑士が前言ってたんだろ?…裸にエプロンは男のロマンだって」

「い…いや、確かに言うたけど、まさかそんな…いきなり…」

確かに忍足は以前そんなことを言った覚えはあった。
しかし、まさか跡部がそれをやってくれるなどということは、まったく予測していなかったのだ。

「せっかく俺様が着てやったんだから感謝しろよ?」

恰好はどうであれ、跡部はいつもと変わらない尊大な態度で詰め寄ってくる。
しかし、白いエプロンの生地は薄く、近付いてくるとエプロンから透けて色々見えてしまいそうで、忍足は慌てて目を逸らした。

「…なぁ侑士、風呂にする?飯にする?…それとも…俺…?」

跡部は新婚のお決まりの台詞を言って忍足の肩に手をかけた。

──完全に誘われている。

そう思った瞬間、忍足の理性が切れた。

「勿論景ちゃんや。ほな寝室行こか」

忍足は跡部を軽々抱き上げると寝室に運ぼうとした。
しかし、そこで思い留まって寝室ではなくリビングの床に下ろした。

「…侑士?寝室行くんじゃなかったのかよ?」

「やって裸エプロンやで?寝室よりここでやった方が雰囲気出るやん」

忍足は勝手なことを言いながら跡部をテーブルの前に立たせた。

「…?侑士…?」

忍足は跡部の背後に回り込んで跡部の後ろ姿を眺め始めた。
エプロンでは身体は前側しか隠れないため後ろは丸見えだった。

「ほな、始めよか」

忍足は暫く眺めた後跡部に近付くと、後ろから腰に腕を回した。
触り心地のいいサテンの生地に包まれた身体のラインがはっきりと判る。

「ちょっ…侑士…」

跡部は擽ったいような妙な感触に腰を捻る。
しかし忍足は無視してもう片方の手で剥き出しの背中や腰を撫で回す。

「く…擽ったいって」

跡部は忍足に止めるよう訴えるが、忍足は止める気は最初からないのか好き勝手に撫で回していき、その手は跡部の腰から徐々に下がっていった。

「侑士…ちょっと待てって…!」

跡部は背筋をゾクゾク震わせながら顔だけで忍足を振り返る。

「待てるわけないやん。…こんなに可愛え子前にして我慢出来ると思うん?」

忍足は跡部の手をテーブルにつかせた。
すると跡部は自然と忍足に腰を少し突き出すような恰好になる。

「そんな恰好して、なんや新婚さんみたいやな?」

忍足は楽しそうに言ってエプロンの隙間から手を侵入させて跡部の胸を撫で、指先で突起を軽く押し潰すように刺激した。
すると跡部の口からは甘い吐息が漏れる。
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