★×向日岳人A★

□あかずきん
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丸井がふてくされたように呟く言葉に、岳人は不思議そうに目を丸くする。
この話の狼に、何か思うところがあるのかとじっと顔を見つめると、いきなり勢いよく押し倒されてしまう。

「っわ!」

「ってわけで…狼さんに食べられちゃってくれるだろぃ?」

丸井は楽しそうに笑って岳人の服を剥ぎ取っていく。
必死に手足をばたつかせて抵抗するも、丸井には敵わなかった。

***

「はっ…ぁ、あっ」

すっかり服を脱がされ、床に押し倒された岳人は、丸井に貫かれていた。
先ほどまで読んでいた絵本は乱雑に少し離れたところに退けられていた。

「な、気持ちいいだろぃ?」

「ひぁあっ…ン、あっ…気持ち、ぃっ…」

丸井はしっかり岳人を抱き締め、まっすぐにその大きな瞳を見つめている。

「ぁ、あっ…」

「な…俺の腕も、目も…口も、全部お前のモンだぜ?」

そう言って口付けてくる丸井は、いつも以上に優しく見える。
岳人はそれに胸が熱くなるのを感じながら、丸井の自身をきつく締め付ける。
見つめられているせいか、いつもより興奮してしまい、身体の熱は先ほどから上がっていく一方だった。

「ン、っあ…ぁあっ…」

岳人の自身から大量に先走りが溢れて腹を濡らしていく。
丸井が抱き締める腕の力も強くなる。
二人とも快感はどんどん高まっていき、夢中でそれを貪った。

「ひ、ぃあっ…あ、イきそ…っんん!」

「っああ…俺もっ…」

丸井の突き上げがどんどん激しくなっていく。
既に限界が近かった岳人にとって、その刺激は強過ぎる。

「ひ…っあ、ぁ…あぁあっ!」

「っく…!」

岳人が思い切り内壁を締めて達してしまうのと同時に、丸井は中に大量の白濁を吐き出した。
二人は荒い呼吸の合間に何度も啄むような口付けを繰り返す。

「…ん、っ…」

「俺の身体…全部、お前のもんだからな?」

今抱き締めているこの腕も、見つめているこの瞳も、口付ける唇も、全てがあなただけのもの。
この身体、この命、この気持ち、全てを捧げて。

「ずっと、離さねぇかんな?」

丸井はそう言って、ゆっくりと唇を重ねた。



――なんて大きなお口なの?


――お前を、食べるためさ。


□■END□■
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