★×忍足侑士B★
□守
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それと同時に、あの日あった何かを思い出したのか僅かに表情を強張らせた。
「大丈夫だ、安心しろ。身体の力抜いてろ」
「…ん」
何度も顔にキスを落とすと、忍足も少し落ち着いてきたらしい。
僅かにでも力が抜けると、身体が快感を受け止めやすくなる。
胸と自身を同時に刺激することで、忍足の意識は段々快感の方に傾いていった。
「ぅあ、あっ…!あと、べぇ…っ」
「力、抜いてろよ」
溢れてくる先走りを指先に絡め、それを蕾に押し込めていく。
久し振りなだけあってそこは固く跡部の指を拒むようにきつく締まる。
「っは…ぁ、あ、あっ…跡部…っ」
それでも、たっぷりと時間を掛けながら中を拡げていくと、段々とその指を飲み込んでいけるようになる。
中で指をばらばらに動かしながら、自身を扱くと、忍足の口からは甘い声があがる。
「…そろそろ、いいか?」
忍足の身体から力が抜け、指を動かすのに抵抗がなくなるまでになると、跡部は指を引き抜き、代わりに自分の自身を宛がった。
久し振りの熱に、忍足の瞳が揺れる。
「跡部…」
「怖いか?」
「…ん、大丈夫…」
少しだけ、忍足が緊張しているのが跡部にも判った。
出来るだけ怖がらせないように、傷付けないようにと、自分の背中に両手を回させ、ゆっくりと自身を奥へと押し込んでいく。
「ぅあ…あ、っ…!」
久し振りのそこはきつく跡部の自身に絡み付いてくる。
根元まで押し込んでやると、忍足は苦しそうに胸を上下させながらも、跡部に向けて柔らかく微笑んだ。
「…跡部…」
深い口付けを贈りながら、跡部は内壁を擦り始めた。
忍足の身体が快感にビクビクと跳ねる。
自身の先端から先走りが滲み、忍足の腹や結合部を濡らしていく。
「ぁう…ン、んっ!」
「忍足…っ」
突き上げる度にいやらしい水音がする。
それすらも快感を煽る材料となり、忍足の瞳からはいつの間にか涙が溢れ出していた。
「跡部…ぇ、っ…」
久し振りの行為にあまり余裕がないらしい。
忍足の内股は痙攣したように震え、内壁が自身をきつく締め付ける。
「イきそうか?」
「はっ…ん、イき…そ、もぉ…跡部ぇ…」
荒い呼吸の合間に、忍足の囁くような答えが返ってくる。
その吐息に、跡部の背筋がぞくりと震えた。
「っああ…イけよ」
「ひああっ!あ、ぃやッ、ぁ…あぁぁあっ!」
跡部が自身を擦り上げると、忍足の身体が大きく跳ね、自身から勢いよく白濁が吐き出された。
それと同時に、内壁は思い切りきつく締まり、跡部も耐え切れず中に大量の熱を注ぎ込んだ。
「はっ…忍足…」
「…ふぅ…ぁ、あぁ…」
忍足の身体は小さく震えている。
しかし、その表情はとても柔らかく、幸せそうだった。
「…大丈夫だったか?」
「ん…大丈夫やで。…めっちゃ気持ち良かった…」
忍足はそっと跡部に抱き着いた。
跡部もそれをしっかりと抱き返す。
お互いの肌から伝わる体温がとても心地いい。
「…次何かあったら、絶対すぐに言えよ?」
「…ん、判っとるよ」
もう、あんなに悩んだりしない。
もう、一人で抱え込んだりしない。
もう、無力に嘆いたりしない。
もう、苦しんだりしない。
二人はそれを誓うように、何度も何度も口付けを繰り返した。
忍足の瞳からは、自然と涙が溢れてきた。
しかし、それは悲しみからではなかった。
跡部の腕に包まれ、守られている。
その安心感に、忍足は嬉しそうに目を閉じた。
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