★×忍足侑士B★
□涙のかけら
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何もかも、嘘だったら良かったのに。
何もかも、もう遅い。
□■涙のかけら□■
「はー…こんな遅なるなんて思わんかったわ…」
忍足が駅に着いた時、辺りはもう暗くなっていた。
所用で実家に帰っていたのだが、学校もあるため、遅い時間の新幹線で一人帰って来たのだ。
「…早よ帰ろ」
この辺りには、一つ有名な噂があった。
男相手の痴漢が出る、というものだ。
氷帝でもその噂はよくされていたが、学校にいる時は下らない冗談だと笑い飛ばしていた。
しかし、実際に暗く人が少ない時間に通るとなると、多少は不安が過ぎる。
出来るだけ早くこを離れようと、忍足は足を速めた。
しかし、改札を出るより早く、何者かに腕を掴まれてしまう。
声をあげようと開いた口は、別の手に塞がれた。
そして、満足な抵抗も出来ないまま、多目的用のトイレへと連れ込まれてしまったのだ。
「今日のは上玉だなぁ」
「こんな時間に一人で歩いてたら危ないだろー?」
電気の点いたトイレで、忍足はその正体を見た。
恐らく、自分の父親よりも年上の、醜い中年。
着ているスーツからするに、それなりの地位なのだろう。
だが、その顔には下卑た笑みが浮かんでいる。
「な、何…」
男達は、躊躇いなく忍足に手を伸ばし、その服を乱暴に剥ぎ取っていった。
着ていた服は引き裂かれ、いつも着けていた眼鏡は落ちて割れてしまう。
本能的な恐怖に暴れて抵抗するが、それほど広くはない個室で、逃げられるはずもなかった。
ベルトを抜き取られ、ズボンと下着がまとめて引きずり下ろされる。
「っふ…ぅうっ!」
叫ぼうとする忍足の唇が、汚い男の唇で塞がれる。
忍足は嫌悪感に眉を寄せ、必死に口を離そうとするが、両手で顔を押さえられては逃げられない。
「っ!んーっ!」
そうしているうちに、別の男が忍足の自身にしゃぶりついた。
まだ萎えている自身が熱い粘膜に包まれ、忍足はくぐもった悲鳴をあげた。
もう一人は忍足の背後に回り、尻を両手で開いて後孔を舐め回している。
「ふっ、ぅ…ん、んっ」
男達は慣れているのか、嫌がっている忍足の官能を的確に呼び起こしていく。
身体の熱は上がり、自身は少しずつ硬くなっていった。
「ははっ、気持ちいいだろう?」
「若いっていいねぇ…敏感だ」
「こちらは初めてかな?」
「っひ!」