★×跡部景吾A★
□素敵な、恋
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「ん…?Σっ!!」
それは大人の玩具。
小さめのピンクローター。
コードレスになっている。
「んーっ…ん…!」
跡部は首を横に振ったが、許されるはずもなく、痴漢の手によってそれが後孔に挿入される。
冷たい玩具は、跡部の身体の熱で温かくなる。
カチッ
「ふぅぅ…っ、ぁぐ…ひぃ…ぁぁぁっ」
スイッチを入れられると、快感が全身を駆け巡る。
まるで痙攣したように跡部の身体の震えは止まらず、噛んでいたシャツの袖は唾液でべたべた。
「くぅ…ぅぁ…もっ…」
(出したい…っ、いやだ…っこんなとこで…)
跡部の頭の中では快感と理性が戦っていた。
早く出して楽になりたいという欲望はどんどん膨らむが、ここは電車の中で、知らない男の手に感じて出してしまうわけにはいかないと、僅かに残った理性が抵抗していた。
しかし、それも長くは続かなかった。
ローターの振動が強くなったからだ。
「ふっ!?ぅぁ…っ、ん゙ん゙んー…」
跡部は下着の中に出してしまった。
玩具の振動は止まったが、跡部の身体の震えは止まらなかった。
「はぁぁ…ぁ、ぁ…」
「めっちゃ感じとったなぁ…な、景ちゃん?」
「Σっ!!?」
跡部は驚いて後ろを振り向いた。
そこにいたのは、間違いなく恋人だった。
「な…なんで…っ」
「俺やったんよ、今の。景ちゃん全然気付かへんのやもん、ちょぉ調子乗ってもうたわ」
しれっとたいしたことじゃないとでも言うように、忍足は笑って言う。
一気に張り詰めていたものが緩んだ跡部は、ぼろぼろ涙を流した。
「って景ちゃん!?待って、泣かんといて。俺が悪かったって、な?」
「だって…俺…っ…」
途中忍足に助けを求めたのに。
忍足だったとは言え、痴漢なんかに感じてしまったということ。
それに…
「ぅえ…っ、侑士…っ…コレ…取ってぇ…」
中にはさっきまで自分を苦しめていたローターがまだ挿っている。
それに加えてもう一つ。
「中がぁ…むずむずする…侑士何とかしろよ!」
さっき塗られた薬は、まだその効力を失っておらず、跡部の身体は熱を高めていく。
「じゃ、今日は一日可愛がったるよ」
忍足はにっこり笑い、跡部の頭を撫でた。
跡部は忍足の胸に顔を埋めた。
「……変態」
「ん?」
(でも、電車の中でも侑士ならいいと思う俺も変態なんだろうな…)
自嘲気味に跡部は笑い、自分がここまで忍足に染まっていることを実感した。
(きっと…本気で侑士のことが好きなんだろうな)
忍足になら何をされてもいいと思うなんて。
それほど溺れている、そんな素敵な、恋。
(愛してる…)
END