★×向日岳人A★

□人形〜岳人・番外篇〜
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「んっ、は…ここ、も…触って…」

岳人は自ら跡部の手を取ると自分の下肢に触れさせる。
自身はもう僅かに硬度を持っている。
跡部は求められるまま自身を握り、ゆるゆると扱くと、岳人はシーツを握り締めて腰をくねらせた。

「んぁっ、あ…ふ…」

岳人の口からあがる声は甘く柔らかい。
耳を擽るその声はとても気持ちがいい。

「日吉ともこういうことしてんのか?」

「んっ…うん、してる…いつも、俺が…」

岳人が言うには、日吉からすることはあまりないらしい。
いつも岳人の方から誘い、自ら上に乗って行為に及ぶという。
こんなに魅力的な岳人に、自分から手を出さないなんて勿体ない。

「なら今日は俺が全部やってやるよ」

「えっ…や、ん!ぁああっ!」

跡部が下肢に顔を埋め、自身をしゃぶると岳人はビクビクと腰を震わせて大きく声をあげる。
すぐに先走りが溢れて唾液と混ざり、いやらしい水音が響く。

「っは、ぁん!あぁあ…んっ、んーっ」

岳人はもう快感に支配されていた。
涎や涙が零れてシーツを濡らしているが、跡部はそれを咎めず強く自身を吸い上げた。
我慢出来ないのか、身体が痙攣している。

「あっ、イ、イっちゃ、ぁ、あぁん!」

岳人は耐え切れず、跡部の口の中で達してしまった。
それを飲み込んでしまう跡部に、慌てて身体を起こしてその髪に手を添える。

「や、ごめ…飲ませて…」

「いいから。そのままにしてろ」

「ひっ…!」

跡部は今度は岳人の蕾を舐め始めた。
そちらも岳人には性感態で、また激しい快感に包まれる。
日吉とは違い、自分には何もする余裕を与えない跡部に、岳人は翻弄されるばかりだった。

「すごいな…ここ、すぐ柔らかくなるんだな」

「…ぁん…っは」

たいして濡らしもしておらず、解してもいないのに、岳人の蕾はすぐに受け入れられるくらいの状態になる。
跡部は指を入れて解すこともせず、性急に自身をそこに押し込んだ。

「ぁああ…っ、大き…ぃ、ぁ…んっ」

跡部の自身が入ってくる。
痛みはないが、圧迫感はかなりのものだ。
しかし内壁は自身を包み込むように締め付けてくる。
すぐに抽挿が開始されると、身体の奥から沸き上がる快感に一気に身体が熱くなる。

「っ!あ、そこっ、もっとぉ…!!」

岳人は跡部の背中に手を回してしがみついてくる。
跡部は腰を抱え岳人が求めるままに突き上げる。
岳人は自ら腰を動かして自分のいいところに当たるように調節する。

「ここか?」

「んっ、うん、そこ…ぁっ」

自身の先端から先走りが溢れて零れ、シーツに染みを作る。
動くせいで綺麗にメイクされていたベッドのシーツもシワが寄り、ぐちゃぐちゃになってしまっている。

「あっ、やっん!すご、イっ…」

他のことなど何も考えず、快感だけを貪る。
元から快感に弱い岳人に我慢は出来なかった。
思い切り跡部の自身を締め付け、また白濁を吐き出してしまう。
その締め付けに、跡部が白濁を注ぐと、岳人の身体が小さく震えた。

***

そうして、昼も夜もさんざん跡部に可愛がられていた岳人だったが、修学旅行が終わった日吉の元に帰ることになった。
少し名残惜しいとは思いながらも、迎えに来た日吉を見ると嬉しさが込み上げてくる。
跡部に礼を言って日吉と帰る途中、岳人は何度も後ろを振り返った。

「ちゃんと言ったこと守れました?」

「当たり前だろ。跡部も楽しそうだったし」

楽しかったのは跡部だけではない。
しかし、それは誰にも言えない。
秘密の思い出として。

□■END□■
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