★×向日岳人A★
□翼枷
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「ふぅっ…あ、ぁ…日吉、なんでっ…」
突然のことに快感に流されそうになりながらも、岳人はまだ残る理性で尋ねる。
日吉がいきなりこんなことをするのは初めてで、理由も何も判っていないこの状況は、岳人に恐怖と混乱を齎す。
「…自分で判らないんですか?」
「えっ…?なに、っあぁあっ!」
日吉が苛ついていることは岳人にも判る。
しかし、何に怒っているのかまでは判らないのだ。
「判らないなら別にいいです」
日吉は冷たく言い放つと、岳人の蕾に指を捩込んだ。
「っあ!」
自身から溢れた先走りで濡れていたせいか、あまり痛みもなく、あっさりと指を飲み込んでいく。
中を掻き回されて、自身はますます硬く張り詰めて震えてしまう。
「あっ…ぁ、…えっ?」
しかし、すぐに指が引き抜かれ、代わりに日吉の自身が宛がわれる。
岳人はビクッと身体を震わせ、激しく首を横に振って嫌がった。
「やっ…嫌、嫌だぁあっ!」
ほとんど解していないそこに自身を挿れたら、どれほど痛いか想像するのは難しくない。
しかし、日吉は岳人が嫌がろうが止めるつもりはなく、そのまま無理矢理自身を捩込んでしまう。
やはり解せていなかったのか、蕾は切れて血が滲む。
「っぅ…あ、ぁあっ!?」
しかし岳人は慣れるのを待つこともなく、日吉は突き上げを開始した。
痛みが治まらない中の突き上げに、瞳からはぼろぼろと大量の涙が零れた。
「や、ぁ、ッん!止め…」
「止めると思いますか?」
日吉の機嫌はよくなる気配すら見えず、岳人はわけの判らないまま乱暴に犯されるしかなかった。
暫く突き上げを繰り返されると、段々と痛みは薄れ、快感の方が強くなってくる。
「んゃぁあ…ッ、あ、ぁっ…!」
いつの間にか岳人の声は甘く蕩けたものになっていて、日吉の耳を愉しませるものになってしまっていた。
自身からは大量に先走りが溢れ、腹や結合部を濡らしていく。
「ぁ、うっ…イく、もうっ…」
岳人が身体を震わせて限界を訴えると、いきなり日吉の突き上げが強くなる。
「っ!?ひっ、あ、ぁああっ!」
たまらず達してしまう岳人だが、それに構わず、日吉は何度も激しく抜き差しを繰り返す。
達している間も止まない刺激に、岳人は白濁を零し続けた。
「ぅあ、ぁ…は…ぁ…っ…」
そして、暫くして日吉が中で達する頃には、岳人は気を失っていた。
「…あなたは、俺だけ見てればいいんですよ」
淡々と告げられた言葉を、岳人が耳にすることはなかった。
□■END□■