小説
□転校生にご注意を!![中編]
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「おかしい・・・」
首を傾げて小さくそう呟く丸井。
さっきからもう何回も聞かされたセリフに仁王は小さくため息をついた。
転校生にご注意を!
「何がおかしいんよ??」
「薮内が一緒に飯食わないなんておかしい!!」
「別におかしくとも何ともないじゃろ・・」
少なくとも仁王が言った事の方が正しかった。
いつも2人だけで過ごしていた昼休み、これから先も2人だけのハズだった。
そこに薮内が突然入ってきただけであって、仁王にとっては薮内がいる事自体がおかしい事だった。
「それとも・・ブンちゃんは薮内が居らんと嫌なんけぇ??」
ワザと意地悪そうに尋ねる仁王。
「そんな事言ってないだろぃ??ただ・・アイツ、俺以外友達居ないみたいだからさ・・・」
そう言って、急に俯きシュンとなる丸井。
そんな丸井を見て、仁王は少し苦笑いをした後優しく頭を撫でた。
「冗談じゃ。ブンちゃんは優しか良ぇ子じゃね??でも・・。」
「・・・でも??」
急に真剣な顔になる仁王に首を傾げる丸井。
「薮内に1人の時に近づくのは止めんしゃい」
「・・・は??何でだよぃ」
「ブンちゃんは、薮内の事友達て思っちょるかもしれんが・・薮内はそうじゃないかもしれんじゃろ??」
真剣な顔をするから何かと思えば・・と丸井は思いっきりずっこけた。