小説
□転校生にご注意を!![前編]
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「ブンちゃん、屋上行くぜよ??」
何時ものように丸井を迎えに行った仁王の目に映ったのは、楽しそうに友達と話している丸井の姿だった。
自分と違って友好的な丸井にはテニス部以外にも多くの友達が居る。
クラスの奴と話している姿は珍しくはない・・・が、丸井が話している相手は仁王が初めて見る顔だった。
「ブン・・??それ誰じゃ??」
近くで話しかられて、やっと気づいた様子の丸井は、楽しそうな顔のままで仁王の質問に答えた。
「コイツ今日転校して来た奴で、薮内ってんだぜぃ!!」
転校生・・そういえば先生がそんな話をしていた気もする。
しかし、自分のクラスに来る訳でもない相手に仁王はさほど興味も無かった。
「薮内、さっき話しただろぃ??コイツが同じテニス部の仁王w」
そう言われて何か思い出した様子の薮内は仁王に話しかけてきた。
「薮内です。仁王くん・・僕の事覚えてない??」