小説
□転校生にご注意を!![前編]
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そして今に至る―――
3人は2週間経った今でも一緒にご飯を食べている。
薮内はよほど丸井の事を気に入っているのか、仁王が迎えに行く時は何時も丸井と一緒に居る。
その様子に少し苛立ちを覚える仁王だったが、丸井が友達を大切にしているのを解っているが故に何も言わなかった。
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「さてと・・ご飯も食べ終わったし教室戻らない??」
「あー・・そうだな。」
あと少しで午後の授業が始まる。
ほかの生徒たちも徐々に屋上から教室に戻り出し始めた。
その波につられて帰ろうとした2人を止めたのは仁王だった。
「ブンちゃん、ちょっと待って??伝えんなんことがあったんじゃ。薮内・・先に帰っといてくれんけぇ??」
「・・・解った。でも、授業遅れないようにね??」
それだけ言い残すと、薮内はその場から去っていった。
帰っていく薮内の表情が険しく歪んでいたのを見た者は誰も居なかった・・・。