リクエスト
□ガムは甘いキスの味
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「何で解ったんだよぃ??」
コイツの趣味って人間観察だったっけ??
「最近、仁王先輩が言ってたんスよ〜。「ブン太が最近よぉガム噛んどる」って」
「・・雅治が??」
雅治の趣味はダーツだよな・・??
何で解ったんだ??学校でなら俺の1番近くに居るのはジャッカルだぞぃ??
「凄いっスよね〜!!ジャッカル先輩も気づかなかったのに・・それだけ丸井先輩の事見てるって事っスよ??」
見てる・・雅治が??俺を??
うわっ・・・何か解んねぇけど、すっげぇ嬉しい。
「で・・何で食べる量増えたんスか??」
興味心身に聞いて来る赤也を横目で見て、俺は少し考えた後、こう言った。
「俺さぁ、雅治の事好きなんだ。」
それはホントに自然に出た言葉で、俺はそんな事普段は言わないのに。
うん。でも、今日は気分が良いから特別!!
「はぁ・・そんなの知ってるっスよ??」
「で、雅治のキスもすっげぇ好きなんだ!!」
「それで・・??」
この時点で赤也は結構呆れてた。
でも俺は構わず続けた。
「雅治のキスって甘いんだ。俺、その味が忘れられなくてさぁ・・だから、代わりに甘いものいっぱい食ってたんだ。学校じゃキス出来ないだろぃ??」
うわ〜・・俺、今相当恥ずかしい事言っちゃってる??
人にノロケ話なんて、絶対しないって思ってたのに・・。
しばらく黙ってた赤也が小さい声で「ご馳走様」って言ったのが聞こえて、俺はまた恥ずかしくなって、ガムを膨らました。
膨らまして割って、膨らまして割って・・・。
何時もは五月蝿い赤也も、何を考えているのかさっきから何も話さなくなってしまった。
だから俺は膨らまして割って、その単調な作業を繰り返した。
何度目かの膨らましたガムが割れた時、階段を上って来る足音が聞こえた。
まだこの時間なら会議も終わっていないハズなのに・・
先生が来たのかな??って思って、俺はドアが開くのを待っていた。