リクエスト

□ガムは甘いキスの味
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ギィ・・・



もう古く錆びてしまったドアは重そうな鉄の音を立てる。
役目を終えたんだから、「早く外してくれ!!」って叫んでるみたい・・。

叫ぶドアをお構い無しに大きく開け放って入ってきたのは、先生じゃなくて予想は大ハズレ。

でもハズレて良かった。入ってきたのは雅治だった。



「ブン太!!会議終わったけぇ、帰ろ??」

そう言って、雅治は笑顔で近づいてきた。
帰っても良いけど・・この時間で会議が終わるってのはありえない。

「お前さぁ、会議終わったっての嘘だろぃ??」

「それ俺も思ったっス!!終わるの早すぎっスよねぇ・・??」

横で相槌を打つ赤也に目をやった後、雅治の方を見ると、さも当たり前と言うような顔つきでこう言った。

「これ以上ブンちゃんと赤也を2人っきりにしたくないだけじゃ」

まてまて・・そんだけの理由かよぃ!!
しかも何で赤也が出てくるんだ??

「赤也・・俺のブンちゃんに手ぇだしてないやろうね??」

「冗談はよしてくださいよ;仁王先輩の存在を知ってて、丸井先輩に手ぇ出すような勇気あるヤツはこの学校にはもう居ないっスよ??」

あー・・だから最近男友達減ったんだな!!・・って、納得してんな俺ーーー!!

「意味解んねぇよ!!お前何してんだよ??」

「なーんにもしとらんよ??ただ1つ言えるんは、俺の役目はブンちゃんを守る事だって事」

「だから・・そうじゃなくて・・」

小さなため息を付いた後、話そうとした俺の言葉をさえぎる様に雅治が呟いた

「だって、ブンちゃんの事好きなんやもん・・しょうがないじゃろ??」

こう言われたら終わり。何にも言えなくなる。
当たり前じゃん??好きなヤツに好きって言われて喜ばないヤツなんて居ない。


そんなやり取りを見ていた赤也がさっきの俺より大きなため息を付いてこう言った。

「さっきから、ノロケたりラブラブしたり・・2人だけでやってくれません??俺、もうお腹いっぱいなんスど・・??」

「ノロケ??俺、ノロケとらんじゃろ??」

「だから・・さっき丸井先輩が・・」

心底面倒くさそうに話す赤也を、これほどまでに憎く思ったことは無かった。

俺がノロケてたなんてバレたら、雅治は笑うと思う。否!!絶対笑う。ってかバカにする・・。

「ブンちゃんが・・??」

「あーーーー!!俺、用事あった気がする!!から、早く帰ろうぜぃ??」

今にもその先を言いそうになった赤也を止めるために、とっさに嘘を付いた。
そして、そのまま雅治を引っ張って屋上から逃げるように飛び出した。
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