夢拾参夜

□第零夜
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「こんな夢を見た」、言わずと知れた夏目漱石の名作『夢十夜』の冒頭である。ぼくはこれから、ぼくのみた拾参夜の夢を綴る。

 夢は不思議だ。かの有名なフロイトや、名誉ある心理学者でさえ夢を正しく解釈することは出来ていない。昔から夢は神聖視されていたようで、「初夢」や「正夢」などが例に挙げられる。中国では、「一炊の夢」「胡蝶の夢」という作品もある。ただ、ぼくが言っておきたいのは「夢は綺麗だけではない」ということだ。これだけは、肝に命じておいて欲しい。

 ぼくは夢判断や、夢占いが嫌いだ。第一、当たった例がない。一時、心理学も学んだ。専門ではないので、大まかに学んだだけだが。しかし、フロイトの『夢判断』にはほとほと嫌気が差した。何故なら、夢を全て性的なものに置き換えているだけだからだ。
 

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