夢拾参夜

□第捌夜
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 こんな夢を見た。

 ぼくは普段から、休日でも朝六時には目覚めることにしている。大した意味は無い、ただ長いこと祖父と暮らしていたので習慣化しているのだ。体を起こして、雨戸を開ける。昨夜の天気予報では、今日も天気は良いらしい。

――ガラガラ……。

「……は?」
ぼくは暗闇に独り、呆然としていた。眼鏡を掛けて、卓上のアナログ時計を見る。午前六時三分、の文字が目に入った。
「何だよ、これ……」
決して曇り空や、雨が降っているわけではない。もう一度、外を見る。深夜のような視界、真冬のような空気。あまりの寒さに、歯がガチガチと鳴る。ぼくは窓を閉め、テレビの電源を入れた。全くもって、ぼくには訳が解らない。
「あれ?」
しかし、テレビの電源は入らなかった。
「つけって!」
ぼくは怒鳴り散らした。普段と違う様子が、癇癪を起こさせていた。しかし、そんなことをしていても仕方が無い。気を取り直して、再び電源を入れる。
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