夢拾参夜

□第拾参夜
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 こんな夢を見た。

 ぼくは訴えられ、弁解の余地も無く絞首刑となった。

「十三階段」を知っているだろうか。死刑台の階段は十三段あるが故に、「十三階段」とも呼ばれている。十三は不吉な数字で、特に欧米では不吉な数とされている。不吉とされる由来については諸説紛々あるが、イエス・キリストと十二人の弟子達が最後の晩餐の際にテーブルについた人数が十三人であった為という説や、処刑の日が十三日の金曜日であった為という説がある。またはイエスを裏切ったイスカリオテのユダが「十三人目」となる為、という説もある。その他、古来より使われて来た十二進数に収まり切らない為という説もある。その為欧米では「十三人」、または「十三人目」になることを大変嫌う。因みに、タロットでは「死神」を表している。それに、飛行機の座席番号には「十三番」は無いらしい。

 ぼくは、裸足のまま十三階段を上る。冷やりとした足に伝わる感覚は、ぼくの意識をじわりじわりと苛み蝕んでいった。
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