夢拾参夜

□第陸夜
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 やがて羽根の生えている人間は、羽根の生えていない人間に追われ狩られ蔑まれ、姿を消した。猟銃は朝晩昼夜問わず、鳴り響き続けていた。目の前は血に染まり、弄ばれる仲間は後を絶たなかった。彼女は、それでも構わず謡い続けていた。今までより、ずっと楽しそうに嬉しそうに幸せそうに。

 だって、誰しも異端は嫌うもの。
 だって、誰しも異端は嫌うもの。
 だって、誰しも異端は嫌うもの。

 ここに残ったのは、私だけ。

――ここに残ったのは、彼女だけ。
――ここに残ったのは、彼女のみ。

 異端とは、何なのでしょう。誰か、哀れなぼくにお教え下さい。

 目が覚めた。
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