夢拾参夜
□第捌夜
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しばらく待ってみるものの、電源の入る様子は無い。
「だから……、何でつかない?」
ぼくは何度か繰り返したが、すぐに諦めた。
いつまで待っても、独りってことですか?
誰かを待ち続ける、物語のヒロイン気取りですか?
いいや、待っていようじゃないか。
こうなったら、ずっと待ち続けよう。
ずっと待ち続けてやろうじゃないか、あの人が来るまで。
その頃には、きっと辺りも明るくなるだろう。夜も明け、朝が来るだろう。その頃になれば、ぼくも独りでは無くなるだろう。そう、思った。
目が覚めた。