☆A別館☆

□王様ゲーム
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エドも俺の話なんて一切聞いてないし。
まぁ普段から人の言うことなんて聞きやしないが…
俺は恋人として心配をしてるのに。
どうしてその辺が分からないかね。

「はぁぁぁ」

もうため息をつくくらいしかできなかった。

「はーーい!それじゃあ全員引き終わったから自分が何引いたか確認〜!」

結局俺を除く全員が参加してて。
なんだか俺一人、バカみたいじゃないか?
そんなことを思っていたら隣りから

「あ〜ぁ、違ったぁ」

と残念そうな声が聞こえた。

「当たり前だ。そうそう引けるわけがないだろう、そんなもの」

しかし。
いっそエドが王様とやらになれば安心できたのに。
これではまだ気が抜けない。
一体誰だ、当たりを引いたのは。

「あ、俺だ」
「お〜ブレダ王ですかぁ!じゃあ命令をどうぞ!」

当たったらしい棒を振っているブレダに、マイク代わりなのか棒の入っていたグラスを渡すヒューズ。

「え〜っと。それじゃあ3番と5番で濃厚なキスを」

それを受け取るとこう言ったブレダだが…
お前頭はいいはずだろう。
どうしてそんなに芸がない命令を…
思わず笑いそうになったその時。

「え…」

隣りから困ったような声が聞こえた。

「エド?」

ものすごく…
嫌な予感がする…

「はい!じゃあ3番は誰ですか?」
「あ、俺…っス」

そんな俺を完全無視してゲームを続けているヒューズにハボックが答えた。

「はい!じゃあ5番は?」

誰も答えない。

「あれ〜ぇ?いないわけないよなぁ?」

エドが引いていることを、多分奴は分かってる。
彼じゃなく俺を見て笑ってるのがその証拠だ。
ああ腹が立つ。
俺はエドから棒をむしり取った。

「私だ」

そう言って立ち上がると

「え」
「あら」
「うっそ」
「おやおや」

様々な声がとんできた。

「そんなのありかよ〜」

一際大きな声で泣いているのはハボックだ。
何もそこまで泣くことなかろう。
俺だっていい迷惑だ。

「あのなぁ、ロイ。お前参加してなかっただろ?邪魔すんなよな」

笑いたくて仕方がないといった表情でヒューズが言う。


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