☆A別館☆

□王様ゲーム
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「やかましい!大体お前は東方に来てまでくだらん遊びを持ち込みやがって!とっととセントラルに帰れ!!」
「ひどーーい!」

泣き真似をする奴を無視すると、エドの腕を取った。

「帰るぞ!」
「え、ぁの…ぅん…」

戸惑いながらも立ち上がる。
さすがに彼も反省しているようだ。
よしよし。

「だぁめ!エドにはハボック少尉とあっついキスをしてもらわなきゃな〜」

しつこく言ってくるヒューズを睨み付け、視界に入ったハボックもついでに睨んだ。

「炭になるぅぅ。灰になるぅぅぅ」

彼に罪はないんだが仕方ない。

「あの…もぅいいんで…」

おずおずとブレダが切り出す。
そういえばコイツの存在を忘れてた。

「何遠慮してんだ。王様の命令は絶対だぞ?」

まだ言うか!
いや、なんだかんだいいもって帰らない俺が悪いんだ。
帰ってやる。
今すぐに!

「その王様がもういいと言ってるんだ。問題ないだろう。さ、帰ろうエド」

強引に彼の腕を引っ張ってその場を後にした。

「え、あ、ちょ!ご、ごめんね!ヒューズ中佐!」

謝る必要なんてないのに。
というより謝るなら俺にじゃないのか?
好奇心に負けてゲームに参加して。
結局困るハメになったんじゃないか。

「痛い!痛いよ大佐!」

考えてたらだんだん腹が立ってきて、思わず掴んでいる手に力が込もったんだろう。
後ろから苦情が飛んできた。
だが…

「うるさい」

一言で片付けてしまう。

「なんでそんな怒ってるんだよ!?」

それを俺に訊くか?

「あれで怒るなというのか、君は」

まさかそんな質問をされるとはね。

「でも遊びだろ!」
「ほぉぉ」

面白い。
立ち止まって振り返った。

「あ…」

さすがに“マズイ”といった表情を浮かべているエド。

「じゃああの場で私が止めなかったら、君はハボックとキスしてたんだな?」
「そんなことしねぇよ!」

ほぉぉ。

「じゃあどうやって断ったんだ?教えてくれ」
「それは…ヒューズ中佐が助けて…」
「随分人任せじゃないか。私はそんな人間は嫌いだ」
「ぇ…きら…」


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