☆A別館☆
□王様ゲーム
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久しぶりにヒューズが東方司令部にやってきた。
せっかくの機会だから部下たち、それにエドとアルも連れて居酒屋へとやってきたんだが…
「それじゃあ今から王様ゲーム!」
かなりできあがっている彼が、そんなことを言い出した。
「なんだそれは」
「お前そんっなことも知らないのか?情けないねぇ」
明らかにバカにした口調のヒューズ。
大体こんな酒の席でやろうなんてロクなことじゃないに決まってる。
そんなこと、いちいち知ってる必要がどこにある。
「ま、俺も実際やったことはないけどな。絶対盛り上がるってぇ!」
どうしてもやってみたいらしい。
「東の島国でお酒が入ると人気の遊びらしいですよ」
向かいの席で料理をパクついていた中尉が誰にともなく教えてくれた。
「すごい!中尉って物知りなんですね!」
感嘆の声を上げるアルフォンスに
「以前雑誌に載ってたの」
と笑いかける。
一体どんな雑誌だ…というのはともかくとして。
酒が入ると人気、っていうのが非常にうさんくさい。
「そーそー!この中から“王様”って書かれたのを引いた奴が王様。何でも言うことをきかなきゃならないってゲームだ」
そう言っていつの間に用意したのか、棒の入ったグラスを差し出すバカ。
そういえば去年の忘年会で、隣りの団体がそれに似たようなことをやっていた気がする。
何番と何番がキス〜♪とかなんとか。
他の誰がキスしようが抱き合おうが知ったことではないが、エドに当たったらどうしてくれる。
「くだらない。エド、帰ろう」
そう言って腰を上げた。
なのに。
「え、なんでー?楽しそうじゃん!やってみようぜ!」
なんとも考えなしの返事。
まったく。
これだからお子様は困る。
「万が一変なことでもさせられたらどうす…」
「そんなのやってみなきゃ分からないだろ!だったらお前抜きな。ほい、エド〜どれでも好きなの引いていいぞ?あ、まだ見ちゃダメだからな?」
まだ話は終わってないのに。
ヒューズ…
灰になる覚悟はできてるんだろうな…
「じゃあ〜コレ!」