☆B別館☆

□ダイエット
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「え…?」

久しぶりのセントラル。
最終近くの汽車で帰ってきたから、さすがに司令部に行っても大佐には会えないだろうと思って。
俺とアルは宿に直行した。
そして…
何をどう思ったのか…
のってしまったんだ。








体重計に…








「なにこれ」

こんなの俺の体重じゃない。
そうだ。
きっと壊れてるんだ。
そう思うことにした。
だけど…

「なぁ、アル」
「なぁに?兄さん」

寝る前に確認。

「俺ってさ…その…太った?」
「え?」

俺の質問に驚いたような声を出して。
それからマジマジと俺を眺めた。

「うーーん。毎日一緒にいるせいかなぁ…ボクにはよく分かんないや」
「だよな、太ってなんかないよな!」

太ってない、と。
言われたわけではないのに。
俺はアルの言葉に安心して眠りについたのだった。








そして…








「こんにちはぁ!」
「あら、エドワードくん。お久しぶり…あら?」

俺を見て、中尉が首を傾げる。

「エドワードくん…ちょっとふっくらしたんじゃない?」
「え…」

昨日のことなんかすっかり忘れていた俺は…
その言葉でどん底に突き落とされた気がした。

「中尉!だめっスよ!乙女にそんなこと言っちゃ!」
「え?あ!違うのよ、エドワードくん!変な意味じゃなくて!」

ハボック少尉に注意され、慌ててフォローしてくれるけど…








――遅いよ…








「ううん。気にしてないから…」

少尉に“乙女じゃない!”とか…
反論する気力もなくて笑顔で答えたけど。
絶対引きつってると思う。

「大将!執務室に大佐いるからさ!早く顔見せてやれよ!」
「うん…」

なんか…
“会いたい”って気持ちが…








――かなり薄れた…かも。








だけどまさか“帰ります”とも言えなくて。

「大佐ぁ〜」

恐る恐る執務室の扉を開けた。

「エド!会いたかったぞ」

俺の顔を見るなり、嬉しそうに目を細める大佐。
会いたい気持ちが薄れたなんて…
そんなものは顔を見たら吹き飛んだ。

「大佐」

飛び込んだ腕の中は。
やっぱりあったかかった。

「どうした、今日は素直じゃないか。いつもはこっちから抱きしめないと触れさせてくれないのに」


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