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□椅子取りゲーム
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「あの」

「どうした、隆平」

困惑したような顔で声を上げた隆平に、答えたのは康高だった。

「椅子取りゲームってさ、音楽鳴らして円にした椅子の周りをグルグル回って、音楽がストップしたら空いてる椅子に座った奴が勝ち残っていくゲームだよな?」

「そうだな」

「それなら何故




おれはこの椅子に縛り付けられて居るんでしょうか」





○ 椅子取りゲーム







「それは、特別ルールだからだよぉ〜」

康高の肩を馴れ馴れしく抱きながら現れたのは大江和仁だった。
康高は和仁の手を真顔でつねると、渾身の一撃を和仁の腹に食らわせる。それにヨロヨロとしながら和仁は解説を続けた。

「従来のやり方でも良かったんだけどさぁ〜、グダグダになるからシンプルに決めろって苦情があったんだよね…」

「誰からですか!!」

「管理人から」

「待てこら!!それはお前の都合じゃねぇか管理人!!!」

ぎゃんぎゃんと喚きながら足をバタつかせる隆平だったが、椅子に座らされ、背もたれにガチガチに固定されているロープは解ける様子は無い。

「でも、そしたらどういうルールになるんですか」

康高が暴れる隆平を宥めながら和仁に聞くと、和仁がんん〜と背伸びをして首をパキパキと鳴らしながら答える。

「聞いた話だと、その状態の千葉君をゴールに置いて、徒競走をするみたいよぉ〜。一番早く着いた奴がその千葉君の膝の上に座る、と。」

「何ですか、それ。賞品は?」

「千葉君の膝だっこ」

「はぁあああ!!なんでおれの膝なんだぁああ!!普通に椅子だけ置いてりゃいいじゃねぇか!!イジメだイジメだ!!」

「イジメじゃないよ、サイト企画だよ」

「タチ悪いですよ!!」

そう言ってあまりに隆平が暴れるものだから、隆平は椅子ごと倒れて「ぷぎゃ!!」と面白い音を発した。

「やれやれ…」

ため息をついて康高が起してやるとほっぺたを擦り剥いた隆平がぎゃおぎゃおと泣いていた。
それに「はいはい、泣くな泣くな」と言いながら康高が世話を焼いてやっていると、丁度よくスタート地点から集合の合図がかかった。




椅子取り(?)ゲーム、開始!!
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