Penalty game

□Penalty@
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「俺と付き合え」

呟かれた言葉とは裏腹に、低くドスのきいた声と据わりまくった目。
それはどう見ても脅迫カツアゲの類であった。














Penalty game(ペナルティゲーム)

















現状を簡潔に述べると、俗に言う愛の告白の真っ最中だ。

告白しているのは男。

名は九条大雅(くじょうたいが)。

恵まれた体格。
金と黒の髪は虎の毛皮の様で、強面だが美しく整った顔立ちを引き立てている。
町を歩けば誰もが振り返る、派手で華やかさのある男。

所謂、超美形というやつである。



対して、その九条の告白を受けポカンと口を開けたまま間抜けな顔をしているのも男。

名は千葉隆平(ちばりゅうへい)。

十人居れば十人が口を揃えて「普通」と形容する容姿、体型、髪型。
説明するにもあまり特徴が無い。

所謂、超平凡というやつである。


男が男に告白をするという光景に、隆平は混乱する思考を懸命に整理しようとしていた。

しかし、この状況を一番異常だと感じているのは告白している九条本人であった。



(ありえねぇ。)



先程から何十回と心の中で呟いた言葉が九条の脳裏に浮かんだ。

最初に断っておくと九条は同性愛者では無い。
むろん、目の前の少年が好きというわけでもない。

好きとか嫌いとかいう以前に、今の今まで九条はこの少年の存在を認識すらしていなかった。


なぜこんな事になったのだろうか。
なぜ男に告白しなければならないのか。

しかも全くの初対面と言って良い相手に。



(ありえねぇ。)



後悔先に立たず。

そんな先人の言葉が思い浮かび、彼は涙が出そうになった。
この不幸な男、九条大雅の苦悩の記憶は数時間前にまで遡る。
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