Others..g

□オガッツ!
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「お疲れさまでーす!」
「あれ」

仕事を終えて帰ろうと事務所のドアを開けたところで、カムと鉢合わせた。

「はとりん、今帰り?」
「うん。カムも?ミヤは?」
「ミヤは、また遅刻したから延長中」
「馬鹿だなー」
「全く」

エレベーターに乗り込んで、出口のある一階のボタンを押そうとしたら、カムの手がそれを遮った。

「送るよ」

アイドルスマイルでにっこり笑まれて、エレベーターはそのまま地下へ。
これがミヤだったら断固拒否しただろうけど、相手はカムだ。謹んで申し出を受けよう。



「方向合ってる?」
「うん、大丈夫」

思えば、こんなに長い時間カムと二人っきりでいたことはなかった。
だからなのか、話す内容が仕事のことくらいしか思い浮かばなくて、ついつい話題にしやすいミヤのことを聞きまくる。別に知りたくないのに。

「ミヤって全然アイドルっぽくないよね。昔からあんな?」
「馬鹿は昔からだったな。はとりんに会ってから酷くなったけど」
「……ごめんなさい」
「別にキミを責めてるんじゃないよ。ミヤが馬鹿なのが悪いんだ」
「……カム、大変だね」

自分も大きな原因になっているのであまり言えたことではないが、同じように困った姉を持つ身としての気持ちはよく分かる。

「そういえば、二人ってあんまり似てないよね」
「ありがとう」
「……」

まあ、自分大好きなカムだから、イロモノな弟に似てるなんて言われても嬉しくないか。
うんうんと一人で頷いてたら、隣でカムが笑った。
いつものキラキラな笑顔じゃなくて、いや、今のも十分輝いてたけど、そうじゃなくて、極々自然な笑顔って感じ。

「カム、今すごいキレイな顔だった」
「……いつもは違うってことかな?」
「違う違う!いつもキレイ!そんで、今笑った顔は更にキレイ!!」
「ありがとう」

あ、いつもの微笑になった。さっきのはレアだったんだなー。


「は!カム、そこ!オレんち!」
「ああ」

かなり近い距離で指し示したにも関わらず、カムはマンション前にきっちり車を寄せてくれた。
シートベルトを外してドアに手をかける。

「じゃあ、カ…むぐっ!?」

お礼を言おうとして振り返ったら、カムのキレイな顔が目の前にあって、鼻と口がぶつかった。

……ぶつかった?口ん中、舌入ってきてますけど。

「ん、う…っ!」

こればっかりは相手がカムでも、謹んで受け入れてる場合じゃない。
初っ端からベロちゅーかますところは兄弟だなあ、なんて思ってる場合でもない。

でも、混乱して抵抗らしい抵抗も出来ない内に、カムから離れていった。

「っは、ぁ…」

「タクシー代」


……もうカムにも送ってもらわないことにしよう。





(自己陶酔な人と。)





後書
変化球カム×ハトリ

さらに、このあと続く。
その上、エロ入り。

あはは。(笑うしかない)


20090725

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