REBORN!

□弱々しい貴方の素顔
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雲行きが怪しい空の下。
銃声が轟き、人々の叫び声が聞こえ、次々と地べたに死体が倒れていく。
その中に私がいた。
ブラックスペル第三部隊所属の私は任務でこの地に来ていた。
任務内容は至って簡単。
ただ雑魚どもを片付けること。
私にとってはいともたやすいことのはずだった。
いつものようにただ相手するだけ。
そう思っていた。
だが、思っていた状況とは打って変わり、油断していた自分に罰が当たったのか銃弾を足に掠めて動けなくなった。
どんなにあがいてもびくとも動かない自分の足。
徐々に敵は自分に近づいてくる。
あぁ、もう終わりだ。
そう思い瞳を閉じた。
次にこの目で見るのは天国の景色かな……。


あれ?どうしたのだ?
どう考えてもくるはずの衝撃はこず、待っていた痛みも何もなかった。
瞳を開けるとそこに飛び込んで来た光景は先ほどとは打って変わった生々しい景色。そして、私の目の前にはあの銃撃から守ってくれたであろう人物が立っていた。
「ガン…マ……何で?」
第三部隊所属電光のγ。奴本人。
何故ここにいるんだ?
ここは奴の持ち場じゃないはず。
そう思い話しかけようとしたが振り向いた奴の目は今にも泣き出しそうなそんな顔だった。
「この俺に心配かけさせやがって…次やったらただじゃ済まないからな。」
いつもはそんな泣き言を言わない彼を今日は弱々しく感じた。


弱々しい貴方の素顔

(心の中では助けに来てくれるのは貴方であって欲しいと思った。)
(死ぬな、と。ただそれしか頭になかった。)


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