REBORN!

□殲滅の雨
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曇天の雲が厚く空を覆っている。怪しい雲行きの中、そこを歩く二人の男女。
二人肩を寄り添いながら歩いている。
ふと、空を見上げるとポツポツと冷たいものに当たった。雨は徐々に勢いを増してくる。
「やばいなぁ……降って来ちゃったか…」
何もかもがびしょ濡れになりそれまで服や顔についていた返り血は綺麗に流れ去った。
シャワーみたいだな。なにもかもを洗い流してくれるような、そんな雨。
「この雨お前みたいだな。」
幾分か私より背の高いγを隣で見上げる。
私みたい?何でよ?
募る疑問。それを「どういうこと?」と素っ気ない返事で返せば口角を上げγは私の顔を見る。
「汚い現実から救ってくれる。まるで女神のようじゃないか?」
いやらしい笑みを見せこちらを伺う。臭い台詞ね…
でも、そうね…。私みたいだわ。裏を返せば全てを消し去ること。破壊。私の最も好むこと。
「そうだろ?元雨の守護者さん。」
全くコイツはいつも昔の事を出してくる。
まぁ、それだけコイツとの付き合いも長いということだけれど。
でもその単語を聞くと沸々とした邪心が心の奥底から沸き上がってくる様だ。
白蘭……姫を奪い、ファミリーまでも壊した男。
絶対許してなるものかと改めて自身に誓う。


殲滅の雨

(γ、絶対姫を助けましょう。)
(あぁ、必ずな。)


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