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□浄雪ノ空
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「土方さんはどうして雪が降るか知ってますか?」


突発的に土方さんに聞いてみた。

彼は難しそうな顔をしながら何でそんなことを聞くんだと顔をしかめていた。


「わからねぇよ、俺には学がないからな」


そういい縁側で寝転びながら空を眺めていた。

まだ寒い冬の寒空。

床に寝そべればまだそこは冷たいはずなのに。


「昔母に聞いたんです。雪が降る理由…そしたら母は『この世界は汚いから雪は世界を浄化してくれているのよ』って」


その時は何で世界は汚いのって思ったけど大きくなるに連れてその理由はわかった。


「母はその後に『だからあなたも雪になりなさい』ってそう言いました」


空を見上げると幾分先程よりかは空が白っぽくなり、鳥達も鳴き声をあげている。

土方さんはというと私と同様に空を眺めていた。


「土方さん、私は雪になれたでしょうか?この世界を少しでも綺麗に出来たでしょうか?」


そういうと彼はふっと口元を歪めてニヒルに笑いながら私の手をとった。

その反動で体重が支えられていた私の手はバランスが取れず、私の体は土方さんの胸に倒れた。


「あぁ、まだ雪よりかはまだまだだがな。でも、雪は世界を綺麗にするためには自分を汚さなきゃならねぇ。お前はお前のまま汚れねぇままでいてくれ。」


そういい土方さんは私の体を力強く抱きしめた。

冷たかった私の体は彼の温かさに包まれた。

土方さんから目線を反らせば白い空の下、しんしんとまだ小さい淡雪が舞っていた。




(それはまだ未熟で)
(どこか自分と似ていた)

++++
大分前に書いた作品懐かしい



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