スマブラ小説

□僕と彼との学園生活
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午前6時30分。

枕元に置かれた目覚まし時計が一日の始まりを告げるべくけたたましく鳴る。



「――…っん…マルス……それうるさい…」

ガシャン。


隣のベットで寝ていた彼は、そんな律儀な時計に無情にも枕を投げ付けた。



「なっ、リン……っ!!」
「くぅー…」

慌てて跳び起きてみれば、既にリンクはさも幸せそうな顔で寝ていた。

「………くっ…!」

文句を言えない自分が悲しい。
とりあえず彼は時間ギリギリまで寝かせてやる事にして、まずは制服と朝食の準備をする事に決めた。
















「―――…で、あるからにして√が外れこちらが計算できるように……」

カツンカツンという小気味よい音をたてながら、無駄に大きな黒板に白い数字の羅列が刻まれていく。

一時間目は数学。
正直、暇だし眠いし怠い。


「はーぁあ……」

ちら、と斜め前の席のリンクに眼をやる。

長めの髪は邪魔にならないよう後ろで一くくりにされ、前髪も綺麗にピンで留められていて、とても可愛い。
真面目な彼のその視線は黒板に向けられ、まだ急がしく左手を動かしている……


うん、可愛い。

あんな数字の羅列を頭に叩き込む暇があるのなら、この可愛いらしい姿を脳裏に焼き付ける方がどれだけ得か。


(あー写メ撮りたいなぁ、可愛いなぁ、抱きつきたいなぁ…)

半ば恍惚としながら、リンクを上から下まで眺め回す。

その口元は完全に緩んでおり、端から見るとかなり危ない人なのだが、幸か不幸か気付いた者はいなかった。



何事もなく着実に、淡々と進められていく授業。
もちろんリンクを眺めている間は、マルスの右手と頭はお留守だった訳で……


「――…ス…おい、マルス!」
「はい?…って、あ。」

先生の怒鳴り声にやっと顔を上げた時、黒板の内容はすっかり様変わりしていた。

皆の視線が、一斉にマルスへと注がれる。
あぁ、リンクも振り向いてくれないかな…?


「ずっとぼーっとして、何見てたんだ?」
「リンクのうなじです。」

ざわっ


マルスの即答に、クラス全体が引いた気がする。
中にはマルスとリンクの間に壁のように立ちはだかる者も。


「…ちょっと君、僕のリンクに近寄らないでくれるかな?」
「誰が誰のだ、変態。」


独占欲たーっぷりなセリフも、リンクにかかっては一蹴されて終わる。

「照れ屋さんだなぁ、もぅ〜」
「とりあえず、その緩みきった顔を洗ってこいや!」


リンクの手元から、目にも留まらぬ早さでシャーペンが放たれる。

額に衝撃。
多分、当たったの芯の方だ。

思わず額を押さえて机に突っ伏す。


「……っ、リンク…君はダーツが上手いんだね……」
「的があんただからね。」
「だから僕のハートも綺麗に射抜いてくれたんだー……痛っ」

今度はあまりの授業妨害に耐え切れなくなった先生からのげんこつ。
何をするんだ無礼者。


「マルス、それにリンク、お前ら放課後ちょっと来い。」

「えーー…」
「なんでオレまでっ!」


キッ、と鋭い眼でこちらを睨むリンク。
わぁ、放課後二人っきりだね☆



「おーら、いい加減授業続きやるぞ!ただでさえ遅れ気味なのに………」

また黒板をチョークが叩く音が響きはじめる。



…………暇だ……





 
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