スマブラ小説
□アルコール厳重注意!
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ある日の夜の事である。
子供達が寝付いた後、大人メンバー達は、
「日頃の鬱憤を晴らす」という口上で宴会を開いていた。
「リンク〜!君も一緒に飲まないかぁい!?」
もう相当飲んでるらしいマルスが、リンクへとジョッキを傾けて言う。
「オレ未成年だからね!勝手に飲んでて!」
そのジョッキを叩き落とし、空の酒瓶を持って台所へと帰るリンク。
「そんなこと言わないで飲もうぜリンク!」
「すいません、マリオさん。オレ一応未成年者ですから。」
マルスの時とは別人のような丁寧さでマリオの誘いを断る。
「その差は一体何なんだよリンク...」
当然のようにツッコミを入れてくるロイにも、リンクは容赦しない。
「あ、ロイは駄目だよお酒。」
「ちぇ〜」
リンクの手に、さらにビール缶が追加される。
「おとと...せめて物を壊すのだけはやめてくれよなぁ...」
いくつか落としそうになりつつも、何とか台所にたどり着く。
そして、ジュース二つを持ってロイの元へ。
「はい、これで我慢してね。」
「あ、ありがとう。」
「...それにしても、いつ終わるのかなー...」
自身もジュースを飲みながら呟く。部屋の隅から暴れる大人達を見つめる二人は、大人達以上に大人びてみえた。
「そういえば、マルスは二十歳いってたっけ?」
「いや、確かまだ。まぁ心配してやる義理もないし、早死にすれば好都合だしね〜。」
「ああ...そう...」
また黒リンクが顔を出している...まさか、これが素?なーんてロイが疑い始めたその時。
「リンク!危ない!」
「へ?」
突如聞こえたフォックスの声に顔を上げるも時すでに遅く、リンクの顔面に大量のビールが降り注ぐ。
「っつ......!」
「リッ、リンク!?」
「大丈夫か!?」
飲んでいてもまだまともなメンバーが、ワラワラと集まってくる。
「すまないリンク!」
「いや、大丈夫...少し飲んだけどね。」
どうやら投げたのはファルコンらしい。
マルスに気付かれて無いのが唯一の救いか。
「あー、服が...風呂入って来るよ。」
「あぁ、その方が良さそうだな...」
「すまないなー...」
そして、ずぶ濡れのリンクが風呂へと向かう。
この選択が悲劇を招く事もまだ知らずに...