スマブラ小説
□アルコール厳重注意!
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リンクの居なくなった後は無法地帯となり、宴会はますます激しさを増していた。
むろんその毒牙は未成年達にも向かっていて...
「こ、これは....!?」
風呂から上がり、皆の元へと戻ってきたリンクがまず目にした物は、酔い潰れたメンバーと嵐が過ぎた後のようなリビングだった。
もちろんメンバーの中には、ロイやアイク、ピットも含まれている。
「お帰りリンク!」
「略してお帰リンクゥ〜ン!」
「リンクも飲めよ。」
「お酒って、美味しいですよ♪リンクさん♪」
もはや誰だか解らないくらい壊れてますが、上からマルス、ロイ、アイク、ピットです。
「ちょっ!?誰飲ましたの!まだまともな人返事して!?」
「何言ってんだよリンク〜!」
「皆まともだろ〜?」
「....まずっ...」
もうここにはまともな人間が居ない事を確信したリンクは、戦線逃避を決意する。
「...っ!!」
しかし、いつもは最強を誇るリンクも、酔い潰れ集団にとっては素面のいい獲物でしかなかった。
「「飲もうぜ?」」
「いっ......!!」
そして数分後。
「よっしゃ!どんどん飲むぜぇー!」
「なんかノリいーじゃねーかリンク!」
宴会場には、まともな人間は一人も居なくなっていた。
「それでは!盛り上がってきた所でぇ!恒例王様ゲーム!」
「おぅ〜!」
無駄にリーダーシップだけは優れているマリオが、何か死人がでそうな遊びを提案する。
「では、まだ起きている奴らは強制参加な★」
「え、」
「拒否権なーし!」
いち早く危険を察知したガノンやフォックスなどが逃げようとするが、マリオに捕まる。
そして...
「それじゃあ王様ゲーム始めるぜー!」
結局王様ゲームにはマリオ、リンク、ロイ、アイク、ピット、マルス、ガノン、フォックス、サムス、ピーチの計十人が参戦する事になった。
「に、逃げたい...」
「ふっ、奇遇だな....ワシも帰りたいわ。」
「ハイハイ文句なしっ、それじゃあやるぜ!」
「「王様だーれだ!」」
...誰か危険な人に当たりませんように、とひたすら願っているメンバー。
しかしその願いは、はかなく掻き消された。
「あ、僕王様ー!本職王子だけどね〜。」
イキナリ爆弾キター!!
「じゃあ、リンク。僕にキスして。」
「「名指しっ!!?」」
流石マルスというべきなのか、暴君の名に恥じない無理難題を押し通す。
「名指しするのはルールに反してるから無効ということで。いいね、マルス。」
「...はい」
一方のリンクも最強の名に恥じず、マルスを笑いながら足蹴にする。
この酒盛り、早くも危険な予感がする。
「じゃ、次いこうか?」
「い、逝きますか。」
そして第二回戦。
王様は...
「はい俺ー!!」
このメンバーの中では、まずまずまともなロイ君でした。
「えー、じゃあ五番と八番がビール一気飲み!」
「いっ!!?」
「うわ最悪!!」
あ、前言撤回ですね。不幸な犠牲者はアイクとリンク。
はい、とロイから満面の笑みでジョッキを渡され、顔が引き攣ってます。
「「........」」
「一気ね♪」
ジョッキ片手に固まる二人に、さらにロイの非情な追い撃ちがかかる。
そして...覚悟を決めた二人はジョッキを翳し、流れ込んでくる酒の勢いに全てを任した。
理性も体裁も手放して。