小説

□LIAR
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「…私、この部屋を出ようと思うの…」

何の前触れもなく落とされた爆弾に、鷹士の思考が止まった。


*LIAR*


ここは二人で住むマンションのリビング。いつも二人で過ごす場所。

さっきまで一緒に、借りてきた洋画のDVDを観ていた。感動して涙ぐむヒトミの頭を「可愛いなぁ〜」なんて撫でたりして。
映画を見終わった後はお茶を飲みながら感想とか話をして…

普通の夜だった。昼間だって、変わった様子なんて1つも無かったのに。


気が付けば時計が0時を回っていたので、「そろそろ寝ようか?」と鷹士が声を掛けるとヒトミは急に思い詰めたような表情になった。

「……お兄ちゃん…話があるの」
「ん?」

いつもと少し違う雰囲気を感じて、鷹士がいぶかしげにヒトミを見ると、彼女はこの上なく真剣な瞳で兄を見詰めていた。


「………私……私ね…」


そして前述の爆弾が落とされたのだ。


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