novel
□初恋は何色?
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「初恋はどんな色?」
自分でもよく分からなかった。
恋というものが何なのか。
気付いたのは中2の時。
十代目の家に行く時だった。
道端で、アホが泣いていた。
「………」
本当は無視して通り過ぎようとしていた。
だが、声を掛けてしまう自分が此処にいた。
「オイ、アホ女」
「……」
応答がない。
「聞いてんのか」
「…分かってたんです」
いきなり顔を手で覆いながらもハルは言った。
声は震えていた
「こうなるって分かってたんです。
だけど、涙が止まらないんです」「何があったんだよ、ハル」
ハルは顔をあげて、しゃくりながら答える。
「さっき、ツナさんにハッキリと自分の気持ちを伝えてきたんです。
だけどツナさんには京子ちゃんって人がいるんです。
前から分かってたんです。
だけど…」
「ハルは悲しいです」
振られたって事か。
俺は恋なんて事はした事なかった。
だから振られた時の悲しみは味わったことなんてなかった。