(Love)

□天気は晴れ、本日も異常なし
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目を覚ますと嫌な汗をかいていた。

まあ、あんな夢を見たらしかたないか…。なんて思いつつ立とうとしたらそれより早く障子が開いた。

「おい、山崎!お前いつまで寝てんだ?」


「原田さん。すみません、今起きたところで。」

俺としたことが寝過ごしてしまったらしい。

急いで立ち上がろうとしたのにどうしたことだろうか。目の前の景色がぐにゃりと曲がって俺は布団に逆戻り。

そういや、頭もガンガンしてる。


「おい、お前…。」

体を起こすことにまごついていると原田さんの手が俺の額までやってきて


熱だな。的なことを言われたことまでを記憶に残し僕は意識が遠のくのを感じた。








ひやり。

なんとも言えない気持ち良さに俺が意識を取り戻すとそこには想像外の人物が居た。


「局長!こんなとこでなにやってるんですか。」


あまりにもびっくりしすぎて起き上がると普段の様子からは信じられないくらい強い口調で「病人は寝てろ。」と言われすぐに押し戻された。


「今は昼休みだから。心配するな。」



言いながら俺の為にタオルをしぼるこの人には、自分のお昼はどうしたんですか?なんて言うだけ無駄だ。


「ありがとうございます。」



こうやって素直にお礼を言ったほうがいい。


「ああ。後でお前の分の飯持ってきてもらうからもうしばらく待っててな。」


心から嬉しそうに笑うもんだから自分もなんだか幸せになる。やっぱりこの人は凄い。なんとなくだけどそう思った。


「おっとこんな時間か。また来るからおとなしくしてろよ?」


本当はもう少しだけ居てほしかったのだがそんなこと言える訳もなく。
俺は「はい」としか言えなかった。



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