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□蕾、花開く
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突然のことに思考が停止する。彼女の言葉に思考がついていかない。
アレンは呆然とした表情を見せた。


目の前の彼女、リナリーもまた同じような顔をしていた。


しかし、すぐに我に帰ったように、ハッとして、今度はワタワタと手を振った。


「ゴ、ゴメンナサイ。なんでもないから!」

「…あ、ちょっ、リナリー!?」


アレンの呼び止めも虚しく、リナリーはものすごい速さで走り去っていってしまった。足の速さはさすがと言うべきだろうか。


取り残されたアレンはポカンとした表情でその場に立ち尽くしていた。




ことの始まりは、少し前へとさかのぼる。




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