春夏秋冬
□冷めた少女と綱吉クン
1ページ/1ページ
第一話
「市香―、おはよー。」
私の肩を叩いてきたのは、小学校からの友達である蜜菜。
「おはよ。」
私はこいつと違って、無口無表情。
こいつは私と違って、明るい、活発、猫被り。
とモテ要素が満載だ。
(最後のはどうかと思うが)
「今日一時間目なんだったっけー。」
「数学。」
私がそう言うと、こいつはあからさまに不満顔で
「えぇー、ダルッ。」
「・・・。」
「おっす!桜井に園田!」
後ろから、我が並森高校の人気者山本武。それに続いて同じく人気者2の獄寺隼人。
そしてそれまた後から、あのダメッぷりが可愛いと最近人気が出てきた沢田綱吉。
「あっ!山本君、それに獄寺君と沢田クンも!おはよッ♪」
「・・・ども。」
私はあくまでこいつのオマケとして居るから、こういう連中には関わらなくて済む。
だからこのキャラは止められない。
いや、地だけどね。
「今日ねぇー一時間目数Tだってぇー。やだねー?」
首をコテンと傾げるのも、こいつの計算。
「ッ、な、ぁー。俺体育が良かったなぁ。」
一瞬頬が染まったのを、こいつも私も見逃しはしない。
そして私も、こいつの目が光った事を見逃しはしない。
「ははっ、山本君は体育得意だもんね!あたしは運動苦手だから嫌だけどぉー。」
違う、こいつは運動が苦手なのではない。
汗臭くなるから嫌なのだ。
けして運動音痴ではない、こいつは運動神経はいい方だ。
その二人の会話に、獄寺も加わった。
私と沢田は置いてけぼり。
私は無言で沢田を一瞥して、廊下を進んだ。
あいつらの目には絶対私は入っていないのだから、居ても居なくても関係ない。
すると、後ろからパタパタと可愛らしい足音と共に沢田が走ってきた。
「桜井さん!待って!」
その沢田の声に、周りに居た女共は、「あんなに一生懸命なんだから、少しくらい待ってあげなさいよ!」とでも言うかのように睨んできた。
そんなの知ったこっちゃない。
私は無視して進む。
だって面倒じゃない?
すると、ガシッっと腕を捉まれた。
「・・・。」
無言で振り向く私。
私の腕を掴んでいるのは、案の定息切れした沢田だった。
next story...
中途半端ですが、一回区切りますね。
どうぞ、新しい拍手連載。見守って下さい。
08.12.02.
*因みに、補足ですがこのヒロインちゃん、桜井市香ちゃんは結構冷めています。
だから、別に友人の園田蜜菜ちゃんが嫌いなどではありません。