愛の歌は唄えない

だから代わりに───…



□Love Songの代わりに□


はたけカカシ篇







本当の自分なんてものは誰にでも見せるものじゃないって俺は思う。



『ただ〜いま』



「お帰りカカシ」



だけどね、君だけには本当の俺を知っていて欲しいし見せても構わないって思ってる。



『今日もクタクタだよ。一筋縄ではいかない任務は堪えるね』



そんな事を言いながら、洗濯物を畳む君の膝にゴロリと横になった。



何にも代えがたい俺の癒しの時。



「こら〜カカシ、これじゃあ洗濯物が畳めないじゃない」



そんな言葉を言いながら、困った様に笑う君が愛しくて仕方ない。



『ごめ〜んね。でも少しだけ許してちょうだいよ』



俺はまるで子供の様に駄々をこねてみせる。



こんな姿は君以外にきっと知らない。



「少しだけだよ?本当、家に帰って来るとカカシは甘えたさんだな」



そう言いながら俺の頭を撫でると君はまた洗濯物を畳み始める。



『家に帰ると…じゃなくて君にはね…の間違い』



そう言うとクスクスと笑いながら君は頷いた。



こんな俺を受け入れてくれるのは君だけだから、どうしてもこんな部分の俺を出してしまう。



ヘタレなカカシ…



君にそう言われたって構わない。



「後でお風呂入るんだよ?」



『ん?一緒に?』



君だけの前で本当の俺で居られるから。



「もう、それも甘えてるの?」



『だとしたら?』



俺には愛の歌なんて唄えやしないけど…



「分かった。後で入ろうね」



代わりにこの言葉を君に伝えたい。



『ねえ…』



「何?カカシ」



世界で一番君を…



『愛してる───…』



きっと変わる事のないこの気持ち。



俺の全てを受け入れ愛してくれる君に言える事は、きっとそれしかないから────…





コメントお待ちしております。



[TOPへ]
[カスタマイズ]

©フォレストページ