Long Way
□事情聴取!?
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マンホールとプールからという、奇妙なところからトリップしてきた優姫と星夜。
その後、なんやかんやで氷帝の跡部宅へお邪魔することになり……
「どうやってここに来やがった、納得するように説明しろ」
「「………」」
そして、事情聴取
「う〜ん、優姫は気がついたらマンホールの中に…」
「あぁ、俺も気がついたら水の中─」
「馬鹿を言うのもほどほどにしろ。それで俺様が納得できるとでも思ってんのか」
星夜が続けて言おうとしたところを跡部がさえぎる。
やはり、納得できない様子だ。
「俺だって納得してねぇわ…」
星夜がぶつぶつと愚痴り出す。
それを見て、跡部はあきれとも軽蔑ともつかぬため息をついた。
「逆の立場で考えてみろ。突然マンホールや水の中に移動したと言われて納得するやつがあるか」
「あーまぁそうだねー」
「こっちのほうはただの物好きだと片づけられてもお前の方は住居侵入だぞ」
「だからっ!気づいたら水の中だったんだよ!誰が好き好んで服のまま水の中入るか!」
疑いの眼差しを向ける跡部に星夜はいらだたしげに説明をする。
横の方で、物好きでマンホール入るやつなんかいないよっ!と優姫が抗議していたが、跡部はスルー。
その跡部は、足を組み直し、腕を組むとすこし見下ろすように星夜を見た。
「…まぁ、うちのセキュリティは万全だ。こんな小娘が侵入できるわけねぇか」
「誰が小娘だ貴様ァッ」
「星夜ーまぁしょうがないよ、誰だって自宅のプールに人いたら驚きだよ」
「まず自宅にプールがあることが驚きだよ」
星夜の冷静な指摘に、確かにー!と優姫が爆笑する。
そのやりとりで、少し落ち着きを取り戻した星夜は、若干前かがみになっていた体制を元に戻し、改めて跡部を見た。
「理解できないのはわかる。でも俺ら自身状況を把握しきれてねぇんだ。何せ今の今まで自分の部屋にいたんだからな」
「そう!ベッドでゴロゴロしてたらいきなりマンホールの中に!」
「………」
二人の説明に跡部の表情は未だすぐれない。
だがしかし、先ほどまでのものよりは少し柔らかくなっていた。