Long Way

□試合だよ!全員集合!
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休日。
朝早く出発の準備をしている跡部に話を聞くと、今日はテニスの試合があるらしい。



「優姫たちもいく!」



優姫は未だベッドで熟睡する星夜を叩き起こし、強制的に着替えさせ、なおもぐずる彼女をひきずるようにして、跡部の車に飛び込んだ。




***






「──お前ら、そろってるな」




会場につくと、氷帝レギュラーはすでにそろっていた。
跡部は悠々とその輪の中に入っていく。




部長が一番最後ってどうなの。




というツッコミが頭に浮かんだが
氷帝メンバーはいつものことだというように平然としているので何も言わない。


青学の部長なんてきっといちばん早く来てるんだろうなーと思いながら前を見ると、最早慣れ親しんだ氷帝メンバーと目が合い、宍戸がおう、と手を挙げてあいさつしてくれた。




休日にも会えるなんて
と優姫は嬉しくなって駆け足でそちらに近づいた。



「おっはよーー!!」



ものっすごいスピードで優姫が駆け抜けてくる。
あまりの勢いに宍戸が反射的にそれをよけると、優姫はそのまま彼の後ろにいた忍足にダイブした。



「ゆーしーー!」




どすっっ




「応援にきてくれたんか優姫」

「うん!」



すごい勢いで突っ込まれたのにもかかわらず笑顔で迎える忍足。
伊達に鍛えてはいないらしい。


俺だったら吹っ飛ばされてるわアレ……と横で向日がつぶやくのが聞こえた



「亮ちゃんもおはよ!岳ちゃんもチョタも若も樺ちゃんもジロちゃんもみーーんなおはよ!コケコッコーー!!」

(コケコッコー……?)

「朝から元気だな相変わらず」

「いぇあ!!」



予想外の出現かつ、朝からテンションフルスロットルな優姫についていけない氷帝メンバー。


唯一宍戸だけが呆れ半分で返してくれる。
慣れたもんである。

優姫はそのまま突撃した忍足を見上げた



「侑士、今日試合でる?」

「出るで」

「ダブルスー?」

「せや岳人とな」

「おぉ!優姫、がんばって応援するっ!侑士のかっこいい姿見せてね!」



花もほころぶ天使の笑顔(by忍足
を向けられた忍足は意気込んだ。



「…今日6-0で勝つわ」

「単純かよ」


宍戸のツッコミなんて聞こえないようだ。





「…………」



優姫がキャッキャと氷帝メンバーに混じるなか、はるか後方で寝ぼけ眼を擦るのは星夜である。


まだ脳が働いてないらしく、のろのろと歩を進めている。



「ねむい……帰りたい……寝たい………」



休日は心行くまで睡眠をとり、外には出ずに完全インドアなのである。
朝からハイテンションな優姫にはついていけない。


そんな星夜に最初に気づいたのは、微笑ましく優姫を見守っていた鳳だった。



「あ、双烹さんもいらっしゃるんですね」

「え゛っ」



そしてその言葉に一番最初に反応したのは向日である。
先日の星夜氷帝訪問により、彼女に対しては複雑な心境になっている。

宍戸が面白そうに向日を見たが、向日はさっと樺地の後ろへと避難した。



そこへ星夜が到着する。
向日に気づくどころか前が見えてるのかすら怪しい。



「………ういっす」

「あ、星夜やっときたの?おそいよー!もしもし亀よーだよ!」

「…………おん」



優姫のボケにも応答しない。
ほんとに眠いらしい。


鳳が気づかうように星夜に声をかけた。



「双烹さん、おはようございます。大丈夫ですか?」

「んー……こいつに無理やり叩き起こされて……ねむい」

「だって!!試合見たいじゃん!!せっかくじゃん!」

「こいつ朝からうるさいし………」

「羽織さんはいつでも元気ですからね」

「おうよ!」



鳳のフォローに胸を張る優姫。

フォローを真に受けてやがる、と日吉が影で毒づいたが聞こえていないようだ。






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