短編

□BLはお呼びじゃない
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数分後

メソメソとする紺と
険しい顔のロマーリオと
不機嫌な雲雀と
しょんぼりとした様子のディーノが一同に会していた


「いいんです…恭弥師匠が幸せならそれでいいんです…」

「僕はこんな男に興味ないよ」

「こんなとは何だ」

「ボス」

「はい、すみません説明します」


ロマーリオに圧をかけられて、ディーノが事情説明を始める


事の顛末はこうだ

先程、ロマーリオがお手洗いで席を外した拍子に、雲雀が急に臨戦態勢になった
トンファーの一撃を避けようとしたところで、ディーノがお決まりのドジを発動し、そのまま雲雀を押し倒してしまった

よって、先程の光景は完全に事故であり、ディーノと雲雀は決してそのような関係ではない


と、一通り説明を終えたのだが
先ほど見た光景がよほど衝撃的だったらしく、紺はまだ半信半疑だった


「本当に事故なんですか?」

「事故だって。逆に事故じゃない可能性がどこにあるんだよ」

「それは……」


紺が言い淀むようにして、不安げな様子で雲雀の方を見る


「師匠は、強い人が好きですよね」

「……まぁね」

「ディーノさんは、私よりはるかに強いですよね」

「……」

「だからっ師匠は私よりディーノさんが好きなんですうわぁああああん


間違ってはいない、が間違っている
三段論法が、間違った形で成立してしまっている

再びメソメソとしだした紺を、ロマーリオが落ち着かせに入って
ディーノはというと、呆れて放置体制に入りかけている雲雀の方を説得しにいった


「おい恭弥、何とか言ってやれ」

「知らないよあんな馬鹿」

「知らなくないだろ。お前が安心させてやらなくてどうすんだ」

「……」


面倒くさげに鼻を鳴らしたものの、雲雀がゆっくりと腰を上げる
察したロマーリオが席を立って紺の隣をあければ、雲雀はそこに座って紺の方に顔を向けた


「紺」

「うう…いいんです…お幸せに……」

「君が前に言ってた、僕のために花嫁修行するっていうのは嘘だったのかい」

「!」


紺が跳ねるようにして雲雀の方を見た
雲雀の表情は呆れが混じりつつも、どこか優しかった


「僕は待ってるんだけど」

「し、ししょーーーーーーーーーーーー!!」


一気に希望に満ち溢れ、紺は大喜びで雲雀に抱きついたのだった



これにて、一件落着








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