Long Way

□トリップしちったよオイ
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気がつくと  真っ暗



「ちょいいいいぃい!?なにこの展開ッ!」



優姫は軽いパニックに陥った。


しかも先ほどまでベッドで寝ていたはずなのに、今は両足で立っている。



「暗っ!暗っ!!ベッドは?携帯は!?あ、携帯あるわ」



携帯を持っていたことで少しだけ落ち着いた優姫。キョロキョロとあたりを見回してみる。


あたりは暗く、静かだ。
耳をすませば、なにかが流れる音が聞こえる気がする。


そしてふと上を見ると、なぜか光が漏れていた。
上へ行けないかとさらに見回すと、なんと上へ続きそうなはしごのようなものまである。



と、とりあえず行ってみよう



優姫ははしごを伝い、光の源に向かってみることにした。
光源の付近までたどり着き、手を上にあげると、なにかがこの空間をふさいでいて、暗いのはそのせいであることがわかる


優姫は思い切って頭上のものをどかし、まぶしい光の中に頭を突っ込んだ。



「えぇええええええ!?」



そこは

道路の

ど真ん中〜


ちなみにただいま優姫は、地表から頭だけ出している状態である。



「え、もしや…羽織さんマンホールから出てきちゃった?」



横を見るとさっきどかしたマンホールの蓋がある。


ありえねぇ…!頭処理落ちしそうだべさ!


優姫は頭をブンブンと縦やら横に振ってみた。
しかし考えてもわかりそうもない。


まぁ、とりあえず…この穴から出よう
車とか来たりしたら危ないし…


そう考え、優姫はひとまず地下から地上へ上がろうとした。



とき




ブロロロロロ…


……え



ブロロロロロロ…



…えぇ?



ブロロロロロロ!!





言ってるそばから来たああぁああああ!!



ちょ、どうする?これどうする!?
こ、このままじゃ優姫ひかれちゃ…



ビーーッッビーー!!





ギャアァアアアアアアアア!!




とっさに優姫は穴の中に頭を引っ込め、身を隠した。


車が急ハンドルを切ったことによるタイヤ音と、頭上を通り過ぎたような音がする。


しばらくそのまま固まっていると、少し先で車の止まる音がした。



「あーん、人ってどういうことだ?」



ドアを閉める音と、車から降りてきただろう人の声。
しかもなんだか聞き覚えのある声だ。
優姫はほんのわずかながら頭を出してみた。
そしてあたりを見ようと首を回転させる。

 

「坊ちゃま!」



坊ちゃま?どこかのお金持ちさんかな…でも、あの声…



「わかってる」



足音はこちらへ近づいてきた。


ヤバイ…!


優姫が頭を引っ込めようとした瞬間



「たしかこっちの方……ん?」

「ほぇ?」



その人物と目があってしまった。


そしてその人物は、漫画、テニスの王子様の登場人物である、跡部景吾だった。




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