Long Way

□事情聴取!?
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「まぁいいだろう、それで、お前らは知り合いなんだな」

「うん、さっきまでメールしてたの」

「それでいきなりお前らが住んでるところとは違ったこの世界にやってきたと」

「そうなの」



今しがた知りえた事柄を確認する跡部に優姫が相槌をうつ。

すると、突然、跡部が手を顔に当て、二人をじっと見つめた。

そう、インサイトだ。
鋭い視線に、なぜだか姿勢を正さずにはいられなくなる優姫と星夜。


すると数秒後、跡部は手を下ろしてこう言い放った。



「まだ何か隠してるな」



!?



何を見抜かれたのだろう。
唐突に、見透かされたように言われて、うまく思考回路が回らない。



「別世界から来たということはなにもかも人も初めて見るものということだ。だが…」

「「だが?」」



二人の声が重なる。
すると跡部は続けざまにこう言った



「お前ら、どうやら俺様を知っているようだな」





「説明しろ、どういうことか」



跡部のインサイトとはこうも鋭いものなのか。
感嘆のため息をつきながら、優姫は目を丸くして跡部をみる。



「すごいっ、なんでわかったの?」

「違和感は感じていたからな」

「へぇ〜…じゃあ説明するしかないね、星夜が」

「俺かよ」

「…お前ら、あいつらのことも知ってるのか」

「あ、ばれた」



訝しげに跡部が尋ねれば、お見事ーと優姫が笑う。
星夜はしばし視線を落として何かを考えるようにしていたが、意を決したように顔をあげた。



「まず最初に聞きたい。この世界に漫画ってあるか」

「あーん、そりゃあるだろ。俺様はそんなもの読まないがな」



そんな庶民の書物は俺様には似合わない
とかなんとか髪をかきあげつつ跡部が言ったが、星夜はそれを無視して続ける。



「俺らの世界にも漫画がある」

「だからなんだ」

「つまり、この世界が漫画なんだ」

「…なに?」

「この世界が、俺らの世界の漫画で描かれてる世界なんだ」



まさか、と跡部が驚くのがわかる。

信じられるわけがない。
自分が生きている世界がほかの世界の漫画の世界だなんて。


唖然とする跡部を前に、優姫が呑気に笑う。



「だから、漫画の世界に入っちゃいましたーって感じなのよ。ワオ、びっくり」

「………俺様は、その漫画の登場人物というわけか?」

「その通りだ」


星夜の肯定に、跡部は再び考え込んでしまった。
無理もないことだが。



「でもさ、星夜」

「ん?」

「優姫たちの世界もそうかもしれないよ」

「そうかも…って?」

「だから、優姫たちの世界も、四次元とかに住んでる人が、操ってるのかもって」

「…………」



跡部が黙っている間、さらりと怖いことをいった優姫に星夜は言葉をなくす。


そんな彼女を、冗談だよ〜と優姫が笑い飛ばしたとき、ずっと考え込んでいた跡部がようやく再起動した。




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