Long Way

□探索2!ヒロイン2が氷帝へ
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「〜♪〜♪」


次の時限の教室に向かう中、優姫はルンルンと鼻歌を歌っていた。

それを見た彩夏が興味深そうに尋ねてくる。



「今日はご機嫌だねぇ優姫、何かあったのかい?」

「うん!これからだけど、すっごい楽しみなことがあるんだっ!」

「ほーぅ?」

「なになに、楽しみなことって!」



すると柚菜もひょっこり横に現れる。
優姫はさらにご機嫌になって言った



「今日はね、立海の友達が来るの!」

「「立海!?」」

「うん!」

「立海って…あのテニス部強いトコでしょ!?」

「あーあの全国――」

「たーのしみだなぁーー!」



二人がなんやかんやと後ろで話しているが、会話なんて耳に入らない。

優姫はルンルンで先に進んだ。




―――



「うわーい終わったーい!」


六時限目がおわり、諸手をあげて喜ぶ優姫


やっと終わったよー!
あぁー早く放課後にならないかなぁー


「元気ねーあいかわらず」

「お?」


そんな優姫を見て、晴がはぁ、と息を吐いている。



「どしたの晴お疲れ気味」

「そりゃ疲れるよ、体育だし古典だし」



晴は、ぁー、と軽く叫んで机に突っ伏した。



「古典なんか寝ればいいじゃん」

「あんたみたいに能天気じゃないの」

「もーそーやって全部頑張るから疲れるんだよー抜くトコ抜かなきゃ」

「あんたは体育ぐらいしかスイッチ入ってないでしょーが」

「うん!」

「そこ堂々とするとこ違う」




―――



「うわやべっ」

「あれ、どしたの星夜、急いでるね」

「え?あぁ、まぁな」


放課後となり、いそいそと荷物をまとめる星夜に、実乃が不思議そうに声をかけた



「何かあるの?」

「うん、まぁな、ちょっと出かける」

「へぇー…」



いつもはダラダラ眠そうにやってるのに…と実乃がつぶやくのが聞こえる。


たしかにその通りである



「んじゃ、またな」

「あ、うん」



猛ダッシュで教室を出ていく星夜の姿を実乃は首をかしげながら見送ったのだった。





―――




「星夜まだかなー?」



放課後となると、優姫は校門付近でフラフラしていた。


さきほど携帯を開いて見ると、星夜からメールが来ており、少し遅れるとのことだった。




「車で送ってきてもらえばいいのにー」



星夜は電車でくるらしい
なんでも、



「送ってきてもらうだぁ?やだね、自分で行く」



だそうだ。



「プライド高いなーもう」



優姫がそこらへんにある石を蹴っ飛ばす。
その石が転がっていく様子を見ていると、その向こうから一人の人物が息せききって走ってくるのが見えた。



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