Long Way
□探索3!二人で青学へ
2ページ/6ページ
「青学にぃいっキターー!」
「はいはい」
それぞれの学校が放課後を迎えたのち、跡部宅の車で青学まで送ってきてもらった二人。
校門を目の前に優姫は大盛り上がりである。
「星夜もほら!キターー!」
「言うか」
「ノリ悪いっ」
ぶーぶーと優姫が文句を言うが、効果なし。
星夜はキョロキョロとあたりを見回していた。
「ねー星夜、テニスコートどこかな」
「今探してるんだけどなー…聞こうにも人が…」
まだ放課後を迎えていないのか迎えたばかりなのか、門を通り抜け敷地内に入っても人の往来はない。
探検してれば見つかるよ、とかいう優姫の迷子まっしぐら発言は再びスルーし、星夜が人をさがしていると、校舎からフラリと人が出てきた。
「あっ!第一生徒発見っ!」
●ってこらえてか!
とツッコミを入れる星夜を置いて優姫はその人に向かって走り出す。
こちらに背を向け奥の方に歩いていく人物に、優姫は目にもとまらぬ速さで追いついて呼び止めた。
「あのっ!」
「?」
「!?」
「えっと…君は?」
優姫に声をかけられ、振り向いたその人は何と青春学園テニス部レギュラーの河村隆。
いきなり目的の人物の一人に会い、しかも目の前でしゃべったため優姫は完全に出鼻をくじかれてしまい、口をパクパクする。
困惑する河村に、その隣にやってきた星夜が対応した。
「すみません、テニスコートの場所を教えていただきたいんですが」
「あ、それなら俺も今から行くところだよ、っていうか俺テニス部だし。よかったら一緒にいくかい?」
「行きますっ!ぜひともっ!」
「!?」
いきなりビシッと手を挙げ、デカイ声をだした優姫にひるむ河村。
最初からこの人物のペースについてこいと言われてもそれは無理である。
数秒後、しかしとりなおした河村は、じゃあ行こうか、と二人を見てゆっくりと歩き出す。
優姫と星夜はお互いに顔を見合わせニヤリと笑い、急いで河村の後を追いかけた。
――――
「ここだよ」
「うぉおっしゃああキターー!」
「やかましいぞ優姫」
「あはは、元気なんだね」
派手なガッツポーズを繰り出し、フェンスに走り寄る優姫を河村がほほえましそうに眺める。
星夜は河村にお礼を言うと、自分もフェンスに走り寄った。
「おー…」
「ほぉー…」
二人から無意識に感嘆の息が漏れる。
なにせ彼女たちの愛するテニプリはここから始まったのだ。
コートには何人かの生徒がすでに準備を始めていて、その中にはあの青学レギュラージャージをきている者もいた。
キラキラと目を輝かせてフェンスに張り付く優姫と星夜。
「…いるね」
「…いるな」
「すごいよ、ほんとに来たんだね」
「夢じゃないよな…(バシッ)…あぁちゃんと痛いわ」