石の輝き

□第2話 決断
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「…どこで拾うのこんなもの…」

「昨日…梨香が持ってきた…」

 茜は紙を破り捨てながら口にする。月華はふてくされながら答えた。月華の言葉を聞いて、茜は再び溜め息を吐く。

「これがあるから…昨日屋敷の周りを変質者がうろついてたのね…」

「だから…これは何?」

 茜は溜め息交じりに口にする。月華はさらに大きく口を膨らませる。

「これはいわゆる…発信機と同じ原理の物よ…。そういう魔法が込められた紋章。」

 茜はわかりやすく説明してくれた。
 魔法なんてものが本当にあったことに驚き、月華は茜の言葉を復唱する。

「…じゃあ、私の居場所…敵は知っていたってこと?」

「そうとも限らないわ。」

 月華が再度問いかけた事に、茜は首を横に振る。月華は首をかしげ、どういう事かを問いかけた。

「…あそこにはいくつかの結界を施してあるの。全ての魔法を無にする結界。屋敷を隠す結界。ほかにもあるみたいだけど…私魔法の事詳しくないから…海人に聞いてね?」

「屋敷の周りに来た変質者達って…紋章の反応があそこで消えたから?」

 月華が首を傾げると、茜は頷いた。なるほど…。と納得していると、授業が始まった。月華と茜は授業に集中する。





「…茜さん…起きてください。茜さん?」

 授業終了後、月華の後ろで茜は爆睡していた。月華はあきれながら茜を起こす。いくら揺すっても、茜は起きてくれなかった。

「………」

 月華は右手に拳を作り、思いっきり茜の頭を殴る。茜は頭を抑え、勢いよく飛び起きた。

「…おはようございます。全く。人には散々油断するなとか言ったくせに…自分は爆睡しちゃうんですね?」

 月華は嫌味っぽく口にする。茜は謝罪を述べる。

「…授業終わりましたよ?帰らないのですか?」

「そ、そうね…帰りましょうか?」
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