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□第七章 最終試練
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「……………………?」

 不意に嫌な臭いが鼻についた。周囲を見渡し、首を傾げる。臭いをたどって、墓地の奥へと進んで行く。

「!!……………………」

 不意に前方を墓地の住人が立ち塞ぐ。時間も時間な為、迫力があり、ラッセルは身をひいていた。

「…子供が見るものじゃない。君は大人しく家に帰りなさい。」

「………………………」

 霊はラッセルにそれだけを警告する。ラッセルは霊に何があったのかと問いかけた。「馬鹿な子達だよ…」と霊は呟く。

「何があったんだよ!あいつらは?この先に何がある!!」

「シッ…あまり大声を出さないで…。奴らに気付かれる。ここから先には行かない方がいい。飯が食えなくなるぞ?」

 目の前の霊はそれだけを呟き、何も言わなくなる。それだけでラッセルは何があったのかを悟り、霊をすり抜け先に行く。

「………………………」

 その先にあったのは血の海だった。無残にも食い散らかされ、四肢がバラバラになり、内蔵が引き出されている変わり果てた友人の姿が映る。ラッセルはしばらくそこを動くことが出来なかった。
 ラッセルは散らかされた死体を眺めているだけだった。こんな事なら、嫌われても止めるべきだった。そういう後悔が後を絶たなかった。ラッセルは心の中で謝罪を述べ、涙を流すことしか出来なかった。





「………………………」

 目を開けると、視界ゼロの空間が広がっていた。夢を見ていたのか…。と思い、頭を抱える。

(あの日、俺にもっと説得力があれば…あるいは何人かは助かったかもしれない。俺に力がなかったから…)

 そう考えると悲しくなってきた。ラッセルは必死で涙を堪える。周囲を見渡すと、先の光がなくなっている事に気づく。右も左もわからない空間で、唯一残されたのは音だけだった。
 おそらく外の音だろう。様々な爆音と、剣撃が聞こえてくる。外で何かあったのかと身を翻すものの、方向感覚がない為に、どっちに行くべきかわからない。

―キャァァァァァァァァ………!!―

 不意にミッシェルの悲鳴が聞こえた。それから外の音も聞こえなくなる。

「…何があったんだ?」

 ラッセルは周囲を見渡し、気持ちが焦る。脳裏に浮かぶのは守れなかった友人達の変わり果てた姿。ラッセルは不安で心が支配されそうだった。
 同じ事は繰り返したくはない。そう思って、ラッセルはどこかにいるかもわからない地の精霊に向かって叫ぶ。

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