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□第七章 最終試練
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第7章 最終試練
└section1 地の精霊





 イースタニアを後にし、ラッセル達は地の祠に向かっていた。ミッシェルの得た情報を頼りに歩を進める。

「…どこまで歩くんだ?」

「まだ大分先ですわよ?」

 ミッシェルは当然の如く口にして先行する。彼女の先導で大丈夫なのかと、今更のように不安になる。

「…道間違えたとか言うなよ?」

「大丈夫ですわよ…きっと…」

「きっと…?」

 ラッセルは先行するミッシェルに訴える。ミッシェルは自信なさ気に言葉を返し、ライムは首を傾げていた。
 ラッセルは溜息を吐いて行き先を問う。ミッシェルは「アルザス山の頂上ですわ。」と答える。ラッセルとライムは足を止めた。

「…どこ行くって?」

「だから…?」

 ライムが再度問い掛けると、ミッシェルは振り返った。ラッセル達が足を止めていることに彼女は首を傾げる。

「…あんたさ…勘だけで目的地に着けると思うなよ?道がわかんないなら…聞くとかした方がいいぜ?」

「………………………」

 ライムは上目使いでミッシェルに訴える。ミッシェルはラッセル達から視線を反らし、苦笑を浮かべる。ラッセルは彼女の手をひいて、180゚方向転換した。

「…アルザス山は反対側だぜ?今度からは…目的地は事前に話せ…」

「………………………」

 ミッシェルの手を引きながらラッセルは先行する。ライムは「とんだ時間のロスだ」と呟き、ラッセルに付いてきた。





 色々な時間のロスもあり、目的地につくのに数日を要した。ラッセル達は祠の中に入ろうと試みる。入口に立つと、神官兵士に行く手を阻まれた。

「…神聖なるこの地に何用か…」

 神官兵士はラッセル達の行く手を遮りながら問い掛ける。「地の精霊に用がある。」と告げると、「試しの儀を受けるものなりか…」と問い掛ける。試し?と考えながらラッセルは頷いた。するとラッセルだけが中に入ることを許される。

「なっ…こいつらは…」

「試しの儀はただ一人にのみ与えられしもの…」

 ラッセルの訴えを神官兵士達は遮る。そのままラッセルの背を押し、奥へと向かわせる。
 ラッセルは首を傾げながら先を進んだ。目の前に細長い通路があり、先が全く見えなかった。

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