神の子

□最終章 歩む道
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最終章 歩む道





 終戦から数年の年月が流れ、私は先日、23回目の誕生日を迎えた。23回目とは言っても、私は捨て子なため、正確な誕生日、年齢は不明だ。父と母が決めた日、春の終わりの日を私の誕生日にしている。
 それはそうと、やっと医師から「大丈夫だ」と言われ、私の拷問は幕を閉じた。病院を出て、その足で城に向かう。





 城と言えば、あの戦いから周りがガラリと変わった。
 ロビンは戦場での指揮能力が高く評価され、ロスト・ジェネラルに…。
 クルミはあの後私の代わりと言って仕官して、今では宮廷魔術士に…。
 ユニは軍を辞め、近隣の無医村に施設を作り、病人と孤児を色んなところから引き取っていた。





 スレイは連邦に騎士団を結成させ、帝国の支援を減らそうと努力している。
 スーザンは新議長として、国がよき方へと進むように現在は政治活動中だ。
 ハヤトはいつの間にか放浪の旅に出て、居所がつかめないらしい。
 ケティはクルミと一緒に帝国に仕官して、今はあの女性部隊でロビンの代わりになっている。
 ライラもハヤトと同じようにどこかに姿を消したみたいで、それには私の母が絡んでいるらしい…でも、母からは時折手紙が来るから心配はないだろう。





 ディオスはまだ意識の戻らないレオンの面倒と、スレイヤー三人ぶんの仕事とで大変らしい。いつか手伝えたらな…とか思ったりもする。
 エドワードは力がなくなった今でも周囲の信頼はあつく、その期待に応えるべく日々努力しているそうた。
 クロスは兄の補佐をしながら魔法の研究に励んでいる。
 エリアーノは相変わらず歌いながら旅を続けている。あの事件が二度と起こらないように悲劇を歌にして世界中に伝えているそうだ。
 エミリは偵察の仕事を辞め、完全にディオスの補佐にまわっているらしい。彼女曰く、「誰かが手伝わないとあんたが死ぬ」と言うことだ。





 それぞれが何らかの目的のために行動して、それぞれの道を歩み続ける。私も負けてはいられない…みんなに置いていかれちゃう…。そんなことを考えていた。

「…陛下。長い間休んでしまって申し訳ありませんでした。これからは通常通り働かせていたたきます。」

 謁見の間で私は陛下に仕事復帰を報告して、自分の仕事に戻った。謁見の間を後にすると、ロビンとクルミがいた。

「…退院おめでとうございます。アリス様…」

「…ありがと。ロビンも…昇進おめでとう。」

「‥‥‥‥‥‥‥‥‥」

 私の言葉にロビンは赤面する。

「お姉様…今日はあの人の命日ですよ?お墓参りにいかるのでしょ?」

 クルミは笑顔でそう言った。

「…命日…か…そうだね…でも…」

「城のことならば気にしないで下さい。私がいます。」

 私の心配をロビンが先に言った。私はお言葉に甘えさせてもらった。





 城を出て、向かうのは彼が好きだったあの丘。ここには色々な思い出がある。
 彼の望みは"死んだらここに埋めてくれ"と言うこと。その遺言通り、ここに彼の墓がある。

「…クリストファー様…遅くなって申し訳ありません…。…私…やりましたよ?貴方が傍に居てくれたから…貴方だけじゃないですね?ロビン…ユニ…スレイ…スーザン…ハヤト…ライラ…ケティ…ディオス…エドワード…エミリ…エリアーノ…それから…クルミ…。…みんなが私と一緒に戦ってくれたからかな?…それとも…約束があったからかな?…一緒に帰るってみんなと約束して…。立ち止まらず歩き続けるってディーナと…。…私がみんなを守るんだって…貴方と…。貴方には色々助けられましたね?小さい時から…私を守ってくれた貴方に…この恩を返したくて…だから私は…貴方が守りたかったこの世界を…この世界に生きる人全てを…できる範囲で守りたい…神の子としてじゃなく、私個人として…。これが私のできる最高の恩返しだと思う!そちらで見ていてください…兄さん…」

 私が生きる限り、この世界はまた荒れる。私が死ぬその時まで、私の戦いは終わらない。だからこそ、私は戦い続ける。一人じゃない。皆と…一緒だから…私は戦える。






以上"神の子"を終わります。
長かった…それ故に、終わった後の解放感がある…
メチャクチャな文章ですが、ここまで読んでくださったかたには深くお礼を申し上げます。
ありがとうございました。
では、失礼致します。

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