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□第七章 最終試練
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 通路を進むこと数時間。ラッセルの目の前に黄色く輝くものが見えた。それに近付くと、どこからともなく声が聞こえた。

―汝、我を宿すに相応しいものなりか?―

「?」

 声に耳を傾けると、ラッセルは光に身を包まれた。



‡‡‡



 ラッセルだけが中に入れられ、ミッシェル達は外で待たされる。空は綺麗な赤銅色に染まっていた。

「…遅いですわね…?」

 ラッセルを待ちながら、ミッシェル達は暇を持て余す。入口付近に居たら、神官兵士がうるさいので、祠から離れた位置で魔除けを張る。
 しばらく様子を見ていると、祠の方が少し騒がしくなる。ミッシェル達は首を傾げ、立ち上がる。祠の方で、スフィアがアンニミネットを率い、襲撃しているのが見えた。
 ミッシェル達は祠に向かい、神官兵士達の援護をする。スフィアはこっちを見ると眉間に皺を寄せ、周囲を見渡した。

「…ユリウスならいないぜ?」

「…そうか…ならば気兼ねする必要はないな?」

 ライムはナイフを構え、スフィアに言った。スフィアは口元だけで笑い、構える。
 ミッシェルは神官兵士の傷を治療し、アンニミネットを魔法で焼き払う。

「…この祠に何のようですの?」

 ミッシェルの問いに、スフィアは口元で笑った。「決まっている」とだけ呟き、鉄扇を構えた。

「…その祠を破壊すれば…ファントム様の邪魔する者はいなくなる。ならばその祠を破壊する!!」

「そうは行くかよ…」

 スフィアの発した言葉にライムは反論する。スフィアは「貴様らを殺せれば一石二鳥だ」と呟いた。

(…ラッセルが中で何やってるか知りませんけど、ラッセルが戻るまでこの祠は死守してみせますわ…)

 ミッシェルはそれだけを考え、魔法を唱える。



‡‡‡



(…ここはどこだ?俺…何していたんだっけ?)

 気がついたら、ラッセルは広い草原に立っていた。周囲を見渡し、首を傾げる。

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